オンラインショップで即完売! せんべい業界に旋風を巻き起こしている『SENBEI BROTHERS』が美味しい理由

「SENBEI BROTHERS」が飛ぶように売れる理由

右が4代目社長の笠原健徳(46歳)さん、左が弟で煎餅職人の忠清(43歳)さん
右が4代目社長の笠原健徳(46歳)さん、左が弟で煎餅職人の忠清(43歳)さん

「“SENBEI BROTHERS”は、2014年に立ち上げたブランドです。会社(笠原製菓)自体は、祖父が1960年に創業し父が2代目、叔父が3代目で私達が4代目になります」(4代目社長の笠原健徳さん・以下同)

 “SENBEI BROTHERS”というブランドが誕生した背景にあったのは、笠原製菓の経営難だと言います。創業後、卸問屋として景気の良い時代が続いていたのですが、2000年代に入り、お土産の多様化や08年のリーマンショックなどの影響もあって、煎餅の需要が徐々に減っていったそう。

「2014年には3代目の叔父の体調不良なども重なって、当時は会社を畳もうかと相談していたほど。当時、私は別の会社でデザイナーをしていたのですが、思い切って退職し、弟と母と3人で会社を立て直すべく動き始めました」

煎餅職人の忠清さん。気温や温度の変化から毎日手動で焼き加減を調整し、一枚ずつじっくり丁寧に焼き上げる
煎餅職人の忠清さん。気温や温度の変化から毎日手動で焼き加減を調整し、一枚ずつじっくり丁寧に焼き上げる

「会社を辞めてまで戻ってきたのは、煎餅職人の弟が焼く煎餅がバツグンにウマかったから。食べてもらえれば絶対に美味しいと言ってもらえる自信があったんです」と健徳さん。

 そこで、得意先に卸すだけでなく、弟の作った煎餅を兄貴が広めて売っていこうと心機一転、自社ブランドを立ち上げることにしたそう。この時、彼らに大きな影響を与えたのが工場に併設した直売所に買いに来てくれるお客さんの声だったといいます。

「醤油煎餅と言っても微妙な味の違いがあって、僕ら煎餅屋としてはそれにこだわって極めていこうと頑張っていたのですが、普通の人にとっては “お煎餅=しょっぱいだけ”というイメージが強いことがわかってきました。そこで弟と相談しながらバジル味やチーズ味など、スナックに近いフレーバーの煎餅を作って直売所に出してみたら、子供のおやつはもちろん、お酒のおつまみにイイ、という反響があったんです」

パッケージや缶などのデザインは、兄の健徳さんが手掛ける
パッケージやロゴなどのデザインは、兄の健徳さんが手掛ける(食楽web)

 その声に耳を傾けながら試作するうちに、気づけば20種類以上のフレーバーが完成。

「実は笠原製菓のお煎餅自体、お米の甘みがしっかりしていて、うす焼きにしても美味しく、さらに濃口醤油味の下地など、味付けの方法にもしっかりとした伝統があったからこそできたことです。先代が守り築き上げてきた土台があるから、僕らの発想が生きたと思います」。

 ともあれ、美味しいのは保証済み。せんべい好きはもちろん、しばらく遠ざかっていたという人も、ぜひ一度お試しあれ。

(取材・文◎土原亜子)

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