「ジビエはクセが強い」は嘘!? 天然のジビエ肉など7種を取り寄せて食べてみたら絶品だった

生まれて初めて食べる肉類に、正直戸惑うところも……

届いたジビエ肉など珍しい7種の肉(イノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉、ダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉)
届いたジビエ肉など珍しい7種の肉(イノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉、ダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉)

 筆者がオーダーしたのは「米とサーカス厳選7種のお肉のギフト」(6000円 税/送料込)。わかりやすく個別包装されており、焼肉で使う発酵タレ、鍋で使う味噌出汁も同梱されていました。

焼肉をいただく際に使う発酵タレと、鍋にする際に使う味噌出汁
焼肉をいただく際に使う発酵タレと、鍋にする際に使う味噌出汁

 しかし、イノシシ肉やエゾシカ肉はさておき、ウサギ肉、カンガルー肉、ワニ肉……という文字を見て、正直戸惑うところもあります。何しろ初めて食べる肉類です。美味しいことを願うばかりですが……。まずは、7種の肉を解凍し、まな板の上に並べてみました。

写真上段・左からイノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉。写真下段・左からダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉
写真上段・左からイノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉。写真下段・左からダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉

 こうやってみると、肉の質感、色などは実に様々であることが伝わってきます。食べ慣れている牛肉・豚肉・鶏肉に比べても、想像よりもグロテスクではなく、また匂いも強烈というわけではありません。ちょっとホッとした筆者でしたが、さっそくフライパンで焼いていきたいと思います。

味、クセ、匂い……それぞれ違う7種の肉を焼きで食べ比べ!

7種の肉をフライパンで焼いてみました
7種の肉をフライパンで焼いてみました

 フライパンを温めて中火で焼いていきましたが、肉の臭みなどの香りはそれほど強くない一方、白っぽい肉のウサギ肉、ワニ肉以外は、どの肉からも脂が結構出ます。これが脂も旨みの一つになるのでしょうか。

焼き上がった7種の肉。写真上段・左からイノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉。写真下段・左からダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉
焼き上がった7種の肉。写真上段・左からイノシシ肉、ウサギ肉、エゾシカ肉、カンガルー肉。写真下段・左からダチョウ肉、ラクダ肉、ワニ肉

 さっそくいただきましたが、クセがある・意外とアッサリしているなどの差はありつつも7種ともにギョッとする味ではなく、実に美味しい肉ばかりでした。以下に7種の肉それぞれの感想を羅列します。

・イノシシ肉……7種の中では最も臭みが強めで、脂っぽさもある一方、食べてみると意外とアッサリとした口当たり。赤ワインをいただきたくなるジビエの定番

・ウサギ肉……鶏胸肉の弾力を強くしたような食感で、味にも強いコクがある。このことで好みはハッキリ分かれそうだが、ボディ強めの白ワインにはピッタリ合いそうな味

・エゾシカ肉……どことなく血合いっぽいクセはありながらも、これ自体が好きな人にはたまらないであろう味。やはり赤ワインをいただきたくなるジビエの定番

・カンガルー肉……エゾシカ肉とはまた違うレバー感と苦味があり、クセは結構強め。筆者的にはカンガルーのようにピョンピョン跳ねたり小躍りするような味ではないものの、やはり赤ワインとは合いそうな味

・ダチョウ肉……パンチ、コク、肉の臭みは強め。カンガルー肉同様、筆者は特別「好み!」というわけではないものの、マズいというわけではなく、こちらもハマる人も多そう。赤ワイン・白ワイン双方に合いそう

・ラクダ肉……ダチョウ肉にも似た印象で、やはりパンチ、コク、肉の臭みは強め。しかし、後味は意外とさっぱりしており、酒類全般との相性が良さそう

・ワニ肉……魚の身の弾力を引き上げたかのような食感で、味わいもサッパリ。7種の中では最も食べやすい

 ここまでが焼肉で食べた際のジビエ肉を含む7種の肉の感想ですが、クセが強いカンガルー肉、ダチョウ肉、ラクダ肉なども含めいずれも赤・白のワインとの相性は良さそうです。これらの肉、鍋にしてみるとどうなるのでしょうか? 早速試してみます。

全ての肉を使い、「獣鍋」にして食べてみた!

ジビエ肉を含む7種のすべての肉を、味噌出汁を使い野菜と合わせて鍋にした
ジビエ肉を含む7種のすべての肉を、味噌出汁を使い野菜と合わせて鍋にした

「米とサーカス厳選7種のお肉のギフト」に同梱されていた味噌出汁を使い、野菜と合わせて全ての肉を入れ鍋にしてみました。『米とサーカス』ではこれらの肉鍋を「獣鍋」と呼んでいるそうですが、その名を象徴するかのごとくとにかくアクがよく出ます。

 このアクを丁寧にすくいながら、まずはデフォルトでいただきましたが、焼肉で食べた際よりも野菜との調和で肉が食べやすくなっています。また、味噌出汁との相性も抜群。スタミナもしっかりつきそうで、寒い冬場に力をつけるにはもってこいの鍋のように思います。

「獣鍋」にバターをちょい足し
「獣鍋」にバターをちょい足し

『米とサーカス』では、この「獣鍋」に「バター」「キムチ」「チーズ」などのちょい足しするとさらに旨くなると推奨しており、その通りにやってみました。

(左)さらにキムチをちょい足し。(右)最後にチーズをちょい足し
(左)さらにキムチをちょい足し。(右)最後にチーズをちょい足し

「バター」「キムチ」「チーズ」を入れていただいたところ、これがもう絶品! どことなくアジアンな雰囲気になるのはキムチのおかげかもしれませんが、ジビエ肉の出汁、野菜の出汁、味噌出汁がこれら3つのちょい足しで複雑に入り混じり、つい何杯もすすりたくなるような過去に食べたことがない珍しい味をいただくことができました。今回の7種の肉の味のポテンシャルを最大限引き上げることを目指す場合、この食べ方がベストのようにさえ思いました。

居酒屋のほうでも「味噌出汁の鍋」は人気メニューだった!

とにかく絶品の「バター」「キムチ」「チーズ」乗せの「獣鍋」
とにかく絶品の「バター」「キムチ」「チーズ」乗せの「獣鍋」

 最後に、これらジビエ肉の通販を行う『米とサーカス』の担当者にも話を聞いてみました。

「現在、高田馬場・渋谷・錦糸町に3店舗を展開する『米とサーカス』は栄養満点の野生鳥獣肉・ジビエと、地球に優しい最先端フード・昆虫に注目し、先入観を捨てて美味しく楽しく多様な食文化に触れてもらうことを目指しています。

 高田馬場店の開店以来10年間、毎年進化を続ける無添加コクうま味噌鍋はジビエとの相性抜群で、その滋味深い味わいは身体に染み渡り、身体が芯から温まることができ、この鍋を目当てにご来店される方も多くいらっしゃいます。

 仕入れているジビエ肉は政府が定める『野生鳥獣肉の衛生管理ガイドライン』に沿って許可を受けた食肉処理業で解体されたものとなり、十分に加熱調理することで食中毒などのリスクはありません。安全にお召し上がりいただけます。

 今年より始めた通販の獣鍋セット・獣焼肉セットをご注文されたお客さまからは『いろいろなお肉を食べ比べできてよかった』『家でジビエを体験でして幸せでした』といった感想をいただいております。常時10種類以上のこだわりのジビエ肉や珍しい肉を扱っております。それぞれの食感や味に特徴がありますので、ぜひご賞味いただき、お好みのお肉を発見していただけますと嬉しいです」(担当者)

今回試食した7種以外のジビエ肉にもトライしたくなりました
今回試食した7種以外のジビエ肉にもトライしたくなりました

 当初筆者が抱いていた戸惑いが杞憂に終わり、いずれの肉も個性や特徴がある一方、「これは絶対無理!」というようなものはありませんでした。むしろ焼肉ならワインとの相性抜群ですし、鍋ならトッピングを加えてコクたっぷりにし美味しくいただくことができます。ぜひ一度ご試食されてみてはいかがでしょうか? 体が温まり、スタミナもつくことウケアイです!

(撮影・文◎松田義人)

●DATA

米とサーカス

https://kometocircus-online.com/