「本みりん」を砂糖の代わりに使うと料理が絶対ウマくなるワケとは? 実際に検証してみた

「本みりん」を使うことで料理のコクが出る理由とは?

煮物には欠かせない「三州三河みりん」 [食楽web]
煮物には欠かせない「三州三河みりん」 [食楽web]

 本みりんは、日本特有の発酵調味料で、もち米、米麹、焼酎を基本原料としています。アルコール分が14%以上あるのも特徴。このアルコール分によって、食材のくさみを消し、米由来の自然な甘みが加わることで料理にコクが出ます。短時間の煮込みでも味がしみやすくなるので、コツ入らずに料理の味を上げることができるのです。

 ここで注意したいのが、「みりん風調味料」という存在。糖類を調合したものでアルコール分も1%ほどなので、加熱する料理で使う場合は思ったような味わいにはなりません。ドレッシングなど非加熱で使う場合、アルコール分が気になる方はみりん風調味料を選ぶと安心です。

飲めるみりん。『八海醸造』の「本みりん 三年熟成 麹の密」

2023年3月にパッケージがリニューアル
2023年3月にパッケージがリニューアル

 さて筆者が普段使っている本みりんを紹介します。煮物は先ほど紹介した「三州三河みりん」を使っていましたが、玉子焼きや和え物を作る時に使っているのが、「八海山」などの日本酒を醸造する『八海醸造』が作る「本みりん 三年熟成 麹の密」です。

 酒蔵が素材からこだわった本みりんで、新潟県産の米と米麹、本格米焼酎にて三カ月以上かけてゆっくり糖化させ、さらに三年熟成。「飲むみりん」として、ロックやソーダ割りで飲めるという自信作です。

筆者宅ではパッケージリニューアル前の商品を使っていますが、味は同じ
筆者宅ではパッケージリニューアル前の商品を使っていますが、味は同じ

 ソーダ割を用意してみました。深みのある甘みと後から醸造酒の華やかな香りがふわっと鼻腔を抜けます。これは夏場に飲みたい! お風呂上がりや、身体が疲れている時に飲んだら染み渡るであろう、やさしい甘さです。

卵料理も料亭のような深いコクが出る

 さらにおいしさと料理の出来栄えを実感できるのが、卵料理。そぼろ丼用の炒り卵を作る時も、砂糖なしでOK。シンプルなものほど、本みりんの柔らかさによって味だけでなく、舌ざわりも上品に仕上がりますよ。パサパサになりやすい炒り卵もふわっと口当たり良く仕上がりますし、なにより甘みがやさしいので卵そのもののおいしさを損ないません。

 こちらの鶏そぼろも砂糖不使用。醤油とみりんの割合に迷ったときは、とりあえず1対1を基本に。鶏肉200gなら、各大さじ3で甘辛い味がしっかりしみた鶏そぼろになります。

 副菜が足りないなぁという時に即席で作れるのが、こちらの和え物。きゅうりを細切りにして、みりん、醤油、酢に漬けて冷蔵庫で30分ほど寝かせたら完成です。こちらも各大さじ1で作ります。仕上げにすりごまをふりかけると中華風な味になり、本みりんのほのかな甘さがやみつきになります。ポリポリと食感もよく、箸休めにもピッタリですよ。

 本みりんの中でも、「本みりん 三年熟成 麹の密」は和え物や玉子焼きなど繊細な料理にも向いています。白砂糖の代わりとして本みりんを使えば、味や仕上がりは格段にあがりますので、ぜひ騙されたと思って使ってみてはいかがでしょうか。

調査結果

 本みりんは砂糖の代替として使えば、料理にコクが出て仕上がりが良い。煮魚だと照りが出やすく、卵料理では繊細な味わいになります。「本みりん 三年熟成 麹の密」など本格派の本みりんは、こだわりの調味料として1本常備しておくと、料理の味がワンランク上になります。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

八海醸造株式会社

https://www.hakkaisan.co.jp/