限定「月見マフィン」は目玉焼き入りの朝マックの定番「ソーセージエッグマフィン」や「メガマフィン」より美味しいのか? 検証してみた!

で、結局のところ「月見マフィン」は買う価値あるの?

「月見マフィン」を分解。ベーコン、トマトクリーミーソース、ソーセージパティがイングリッシュマフィンに挟まっている
「月見マフィン」を分解。ベーコン、トマトクリーミーソース、ソーセージパティがイングリッシュマフィンに挟まっている

 具材が似たりよったりの「月見マフィン」、「ソーセージエッグマフィン」、「メガマフィン」ですが、一気に食べ比べてみると、くっきりと味の差が浮き彫りになりました。

 まず、今回の主役である「月見マフィン」で特徴的なのは、ベーコンとソース。このソースは、マックの公式サイトによれば、“濃厚なトマトクリーミーソース”と説明してありますが、いわゆるオーロラソース(マヨネーズ+ケチャップ)のような感じで、これがスモーキーなベーコンの香りと相まって、非常にコク深く印象深い味を醸し出しています。うーん、さすが毎年話題になるだけあって、やっぱり「月見」は美味しいです。

「ソーセージエッグマフィン」を分解。目玉焼き、ソーセージパティ、チーズで構成。ソースなし
「ソーセージエッグマフィン」を分解。目玉焼き、ソーセージパティ、チーズで構成。ソースなし

 続いて、定番商品である「ソーセージエッグマフィン」(ソーセージパティ、たまご、チーズ)をひと口。すぐ気づくのは、ベーコンの不在。そしてソースがないこと。ソースがないから印象薄めかと思いきや、意外にも美味しいです!

 素朴でシンプルな味わいではあるものの、コショウやスパイスの効いたソーセージパティ、ぷるんとした目玉焼き、そしてチーズの塩味がビビッドに感じられ、これらが絶妙なハーモニーを奏でています。“無駄のない美味しさ”とか“引き算の美学”というような言葉が浮かびます。うーむ、これで250円は安い!

「メガマフィン」を分解。目玉焼き、ソーセージパティ×2、ベーコン、チーズ。ソースはケチャップ
「メガマフィン」を分解。目玉焼き、ソーセージパティ×2、ベーコン、チーズ。ソースはケチャップ

 最後は「メガマフィン」。目玉焼き、ベーコン、ソーセージパティという朝マックの三種の神器がすべて入っているのは、これと「月見マフィン」だけ。月見マフィンとの違いは、ソーセージパティが2枚であること&スライスチーズが入っていること。

「メガマフィンのほうが具材が多いしイイじゃん。10円高いだけだし」と思ったんですが、実際に食べてみると、「月見」とはかなり方向性が違うことがわかりました。その差を生み出している要因は、とりもなおさずケチャップです。

 このケチャップが割とドぎつい甘さと酸味で、ものすごいインパクトなのです。さらにスパイシーなソーセージパティ×2、チーズの塩味が重なり、強い味だらけ。ヘビーかつジャンクで、“お月見”という雅やかで奥ゆかしい雰囲気はなく、燦々と陽光が降り注ぐアメリカ西海岸、といった感じ。これはこれでガッツリ食べたいときは良さそうですが、朝食と考えるとややトゥーマッチな感じがしました。

左から「メガマフィン」。「月見マフィン」、「ソーセージエッグマックマフィン」のイングリッシュマフィンの断面(食楽web)
左から「メガマフィン」。「月見マフィン」、「ソーセージエッグマックマフィン」のイングリッシュマフィンの断面(食楽web)

 そんなわけで、3種のマフィンを食べ比べてみました。好みは人によってさまざまだと思いますが、筆者は「ソーセージエッグマックマフィン」のシンプルかつバランスの良い味が一番好みでした。ソースの味ではなく素材の味で勝負しているのも、潔くて好感が持てます。

 そして今回の主役である「月見マフィン」。ソースはもちろん美味しいんですが、わざわざ買う価値があるのか? と問われると、正直、悩むところです。「ソーセージエッグマフィン」より90円も高いし。とはいえ、何と言っても「月見」は期間限定商品であり、サンマやマツタケのような秋の風物詩。なんだかんだ言って、結局は選んでしまう気がしました。皆さんは秋の朝マック、どれを食べますか?

(撮影・文◎土原亜子)