幻の名店『エル・ブジ』で生まれ、ビール界に衝撃を与えたプレミアムビール。それはシャンパーニュのように料理とともに楽しめるビール。ワイングラスに半分ほど注ぎ鼻孔をくすぐる香りとともに味わう。その一口はビールの固定概念を覆す。
日本料理の旨味の要素を優しく包む軽い飲み口
現代におけるビールは、ただ喉を潤す存在ではない。香りを楽しみ、口当たりを堪能し、広がるコクを味わい、余韻に浸る。そして料理と合わせれば、互いの魅力がさらに引き立つ。そんな上質なペアリングドリンクだ。その価値の形成にプレミアムビール・イネディットが果たした役割は大きい。
イネディットは「世界一予約が取れない店」と言われた幻の三つ星レストラン『エル・ブジ』から生まれた。天才シェフ、フェラン・アドリアと同店のソムリエ、バルセロナNo1ビールメーカー『ダム社』のブラウマイスターが手を組み追求したのは、あらゆる食事に合うビール。そして辿り着いたのが、すっきりとキレのあるピルスナーと、芳醇な小麦ビールをかけ合わせた独自の製法だ。フローラルでかすかに甘いスパイス感のある香り、なめらかな泡とソフトな口当たり、長く続く余韻は、濃厚な油脂にも、爽やかな酸味にもぴたりと寄り添う。シャンパーニュやワインに代わる万能の食中酒として、名だたるレストランのリストに並ぶのも納得だ。
そしてここ日本にも、そんなイネディットに惚れ込むシェフがひとり。先日発表された「アジアのベストレストラン50」において見事1位に輝いた、『傳』の長谷川在佑氏その人だ。10年ほど前にスペインで出合って以来、度々イネディットに親しんできたという長谷川氏。「何にでも合いますが、とくに旨味の要素とマッチします。手前味噌ですが、ウチの料理と相性が良いと思います」。論より証拠とばかり、牛モモ肉に鰹出汁の旨味を含ませた料理を仕立ててくれた。「旨味があるのに香りが華やか。口当たりも良く軽やかに味わえるビール。そこに日本料理の旨味の要素が加わると、広がりと深みが生まれます」とシェフ。言葉通り料理とビールは絡み合い、互いの魅力を見事に際立てた。
アジアを代表する名店で確認されたイネディットの魅力と、そのペアリングの妙。ビールの価値を変えた前例のないプレミアムビール。試してみればその称号は、けっして大袈裟ではないと気づく。
アジアの美食界において日本勢が大躍進!
創設10年目を迎える2022年「アジアのベストレストラン50」の発表が、3月29日に開催された。日本勢は4店の初選出を含む過去最多の11店が受賞。第1位に輝いた『傳』の長谷川シェフは「同じ時に、この方々と料理の世界にいられる幸運。厳しい時期だったからこそ、本当の意味のチームジャパンを見せられた」と目を潤ませていた。
●SHOP INFO
店名:傳(でん)
住:東京都渋谷区神宮前2-3-18 建築家会館JIA館
TEL:03-6455-5433(予約受付11:00~16:00)
営:18:00~20:00
休:日曜、不定休
●DATA
お問い合わせ/都光:03-3833-3541
https://www.toko-t.co.jp/