旨い店はタクシー運転手に訊け! 東京・板橋区で絶対行きたい激ウマ“二郎系ラーメン”2軒

豚の存在感とボリュームに圧倒される『ラーメン豚嵐』(蓮根)

『ラーメン豚嵐』の「豚嵐ラーメン」
『ラーメン豚嵐』の「豚嵐ラーメン」

 まずご案内するのは、2021年12月にオープンしたばかりの『ラーメン豚嵐』です。このお店は都営三田線・蓮根駅から徒歩3分の場所にあります。私が食べるのは毎回、麺量300gの「豚嵐ラーメン」(800円)。麺の量も麺の硬さも柔軟に対応してくれるので、麺少なめの250gで、硬めでお願いしています。そしてコールは「ニンニクマシマシ、背脂マシ」。

 ちなみに、この二郎系の「コール」について、二郎に行ったことがない人には意味不明でしょうし、これが未体験の人の二郎系への入店ハードルを上げる大きな要因の一つだと思うので、改めて説明しておきます。

 ひと言で言えば、コールとは味の調整やトッピングのようなもの。二郎の場合は、ニンニクマシ、野菜マシ、背脂(アブラ)マシなどがそれで、もっと多くしたい時は“マシマシ”と言います。とはいえ、最初から量はかなり多めの店が多いので、デフォルトで良い人は「そのままで」とか「全部普通で」とか言えばOKです。

 そして独特なのが、コールのタイミング。食券を購入し着席後、麺が茹で上がった頃合いで店員さんから「ニンニク、入れますか?」と聞かれた時がコールのタイミングなので、そろそろラーメンができあがりそうなときは、スマホをしまって待機しておくのが吉です。

「豚嵐ラーメン」(800円)、コールは「ニンニクマシマシ、背脂マシ」がこれ
「豚嵐ラーメン」(800円)、コールは「ニンニクマシマシ、背脂マシ」がこれ

『ラーメン豚嵐』の話に戻りますが、ここは自家製麺で極太のやや平打ちの麺。ずしっと重たくて、噛めば噛むほど小麦の旨味を感じます。また、スープは背骨・豚足・ゲンコツ・背脂などをガッツリと炊いてあり、旨みたっぷり。なのに、イヤなしつこさはないため、自分にとってはかなり好みのタイプです。

極太のやや平打ち麺
極太のやや平打ち麺

 また、豚のウデ肉を使った“豚”(二郎系ではチャーシューのことを豚と言います)は、普通でもまるで“豚”マシを注文したかのような量。おそらく板橋界隈では一番ボリューミーだと思います。さらにこの“豚”、消えてなくなる寸前まで煮込んでいるかのようにホロホロ。箸で持つと崩れてしまうほど。大げさでなく、歯がいらないかもしれません。こんな二郎系の“豚”は他にはない気がします。

箸でつかむと崩れていく豚
箸でつかむと崩れていく豚

 しかし、この“豚”の柔らかさだと、“天地返し”したら形がなくなってしまうかもと毎回心配になります。ちなみに“天地返し”とは、上の大量のキャベツやもやしを、麺の下に沈めて、麺を上に引っ張り出す小技。二郎系は野菜が大量にのっているので、先に食べてしまうと麺が伸びすぎたり、麺にたどり着く前に野菜でお腹が膨れてしまうため、この天地返しをするのがお約束なんです。

 その野菜ですが、「豚嵐ラーメン」では、もやしとキャベツは9:1の比率で、食感はシャキシャキタイプです(ちなみにクタクタタイプの店もあります)。そして特筆すべきは背脂の美味しさ。私は今回、背脂マシにしましたが、これが大正解。そのまま口に運んで食べたらとても甘く、これがスープをより美味しくしてくれるんです。この背脂をひと口食べれば、こちらのお店がいかに良い豚を使っているかが瞬時にわかると思います。

 すぐ近所には本家の『ラーメン二郎 西台店』もあるんですが、こちらの新店の個性があれば、良い意味で本家と張り合っていけるんじゃないかと思っています。