旨い店はタクシー運転手に訊け!天才料理人“スーさん”の“まぜそば”

具材がねっとり絡まってまろやか

「まぜそば052」780円にトッピングのトロ豚(角煮)300円は、荒川さんの定番メニュー。ちなみに052とつくのは、名古屋の市外局番で、スーさんが名古屋をリスペクトしてつけたそうです
「まぜそば052」780円にトッピングのトロ豚(角煮)300円は、荒川さんの定番メニュー。ちなみに052とつくのは、名古屋の市外局番で、スーさんが名古屋をリスペクトしてつけたそうです

 名物の「まぜそば」は、ひき肉、生のニラ、青ネギ、白ネギ、海苔、卵黄、そして、ニンニク、山椒がたっぷり乗っています。登場したら、丼を片手でしっかり押さえ、よ~くかき混ぜてください。

 この段階で、「これ絶対旨いヤツ!」って感じるはずです。様々な具材の香りが立ち、麺と具材たちがネットリと絡まる手の感触。僕はこの「まぜそば」を最初に頼んだ時、この段階で、口にしていないのに「美味しい」と思ってしまいました。こんな感覚は初めてでしたね。

 食べてみると、ひき肉の中のピリッとした唐辛子と醤油ダレの甘み、ニラ、ネギといった香り野菜の苦味、そしてたっぷりの海苔の風味、山椒のしびれ感などがモチモチの麺にしっかり絡まり、個性の強い具材たちなのに、一体となると、とてもまろやかなんです。スーさんに聞けば、この絡みつく感じを出すために、“米粉”やブラックペッパーオイルを使っているそうです。

 また、食べ進んだところで、卓上にあるスーさんオリジナルの酢(昆布、カツオ、唐辛子入りの酢)をかけてみてください。味に変化が生まれ、さっぱりスッキリいただけます。

 さて、「まぜそば」には、たくさんの具材が載っていますが、さらに好きなものをトッピングできます。僕のオススメは「トロ豚」。いわゆる角煮なのですが、硬くてパサパサの部分が全くなく、箸で「ふにゃり」と切れてしまうほど。この柔らかさのおかげで、汁なしの「まぜそば」でも、ふんわりピタッと合うんです。

分厚いトロ豚。口の中でとろけます
分厚いトロ豚。口の中でとろけます

 僕はどんぶりをほとんどテーブルに置かずに一気にいただきますが、最後の方になると、具を少し残しておいて、ごはん(無料)をもらいます。そうです。“追いメシ”です。具材とよくかきまぜて、ここから息をつかせず一気に食べて、完食! いやあ、これはもう味の芸術ですね。

恒例の“追いメシ”です
恒例の“追いメシ”です