メイド・イン・九十九里、暮らしに寄り添う「Sghr スガハラ」のガラス。<後編>【房総food記】

今年始動のクラフトマーケット「くらしずく」に込めた思い。

2017年10月上旬に初開催された「スガハラ」が会場のクラフトマーケット「くらしずく」。普段は入れないエリアや建物も開放され、晴天に恵まれて多くの人で賑わった。
2017年10月上旬に初開催された「スガハラ」が会場のクラフトマーケット「くらしずく」。普段は入れないエリアや建物も開放され、晴天に恵まれて多くの人で賑わった。

 さらに今年、ますます「スガハラ」に足を運びたくなるイベントが始まりました。それが、今年の10月からスタートしたクラフトマーケット「くらしずく」です。10月8日(日)~9日(月・祝)の二日間にわたり、「スガハラ」の九十九里本社を会場に開催されました。

「もともと、毎年5月に会員の方限定で小規模なクラフトイベントを開催していたのですが、それが好評だったので、今年からは一般公開にしてもっと楽しんでもらおうと思ったんです」と菅原社長。「私たちは直営店をやっているので、たくさんのお客様の声を聞いたり、作り手の想いをお伝えする機会があるのですが、その度に強い喜びを感じるのです。なので、このイベントが作り手と使い手が触れ合える、双方を繋ぐ場になったらいいなと考えています」。

 参加者は、県内を中心に全国各地で活躍するクラフト作家たち。陶器や染色、金属、木工、革製品など、あらゆる作品が並びました。また、フード屋台も充実しており、その場で豆から挽いて入れてくれる自家焙煎コーヒーから、人気ビストロの揚げたてメンチカツまで、房総半島の人気店が集結。もちろん自社の併設ショップでも、特別に職人たち自らが接客をし、商品の解説をしてくれるサービスも。実際に作り手から話を聞くと、製品が完成するまでの大変さや施されている技術に驚き、一つずつに愛着が湧きます。カフェでも、特別に都内のフレンチレストランのシェフ監修のランチコースを提供したりと、様々な華やかな催しが行われました。

 当日は、隣接する教習所の敷地も開放され、臨時の無料駐車場に。遠方からでも安心してアクセスでき、行き帰りに海へ足を延ばせるのも魅力。房総半島に、また一つ素敵なイベントが誕生しました。

“暮らしに寄り添う”をモットーに、ものづくりを心底楽しみながら前進を続ける「スガハラ」。来年のイベント開催と毎年恒例の新作発表が、今から待ち遠しいです。

クラフト関係はもちろんフード屋台も充実! 自家焙煎珈琲店からフレンチバル、窯焼きピッツァ、老舗酒造の日本酒ブースまで多彩な顔ぶれが揃った。従業員用の託児所の遊具広場も開放され、子供達に大人気。老若男女問わず誰もがくつろげる空間が用意されていた。
クラフト関係はもちろんフード屋台も充実! 自家焙煎珈琲店からフレンチバル、窯焼きピッツァ、老舗酒造の日本酒ブースまで多彩な顔ぶれが揃った。従業員用の託児所の遊具広場も開放され、子供達に大人気。老若男女問わず誰もがくつろげる空間が用意されていた。
「スガハラ」の未来を担う20代以下の若手職人によるガラス製品の販売ブースも登場。フレッシュでポップな色使いのものに心踊る。
「スガハラ」の未来を担う20代以下の若手職人によるガラス製品の販売ブースも登場。フレッシュでポップな色使いのものに心踊る。
従業員用休憩室も開放され、会社の歴史や時代ごとのヒット作を紹介する展示スペースに。
従業員用休憩室も開放され、会社の歴史や時代ごとのヒット作を紹介する展示スペースに。
「スガハラ」を率いる、三代目の菅原裕輔社長。後ろに見えているのは、高温の炉の中に設置してガラスを溶かす「ルツボ」と呼ばれる壺型容器(ゴミ箱ではありません、念のため!)。これからも暮らしに彩りを添えるガラス作りを続けていく。
「スガハラ」を率いる、三代目の菅原裕輔社長。後ろに見えているのは、高温の炉の中に設置してガラスを溶かす「ルツボ」と呼ばれる壺型容器(ゴミ箱ではありません、念のため!)。これからも暮らしに彩りを添えるガラス作りを続けていく。

●SHOP INFO

店名:菅原工芸硝子/Sghr スガハラ

住:千葉県山武郡九十九里町藤下797
TEL:0475-76-3551
営:カフェ10:00~18:00(ランチ11:30~14:30、L.O.17:30)
  ショップ9:00~18:00
休:年末年始休(不定休あり)
カード:使用可
駐車場:20台(無料)
車の場合は、1)都心から首都高速・千葉東金道路経由、2)横浜方面からアクアライン・圏央道経由にて、各1時間半ほど。
電車の場合は、JR東金駅から九十九里鉄道バスに乗車し、「日本ペイント前」にて下車すぐ。
http://www.sugahara.com/
※価格はすべて税込表記。
※工房見学は1日6回開催(所要時間約10分・無料)。ただし土日祝はガイドなしの自由見学、および職人の数は少なめなので要注意。

●著者プロフィール

白井いち恵

千葉市育ち&在住の編集者・ライター。『千葉の本』『千葉の本2』(京阪神エルマガジン社)を手がけ、出身地・千葉県の知られざるおいしい&楽しいを大特集した。路線バス好きでもあり、著書に『東京バス散歩』(同上)。