特別な何かがなくても愛されるレジェンド酒場『斎藤酒場』(十条)の人気の秘密とは?【吉田類が名付け親・吉田マッスグの酒場回想記】

特別何かがなくても愛されるレジェンド酒場『斎藤酒場』(十条)の人気の秘密とは?【吉田類が名付け親・吉田マッスグの酒場回想記】
昭和3年に酒屋として創業。酒場になったのは戦後からだという(写真はコロナ前に撮影したものです) | 食楽web

 名店と呼ばれる大衆酒場を挙げれば、この店は欠かすことができないでしょう。その酒場の名は『斎藤酒場』。JR十条駅から歩いてすぐ、創業85年になるこのレジェンドともいうべき店の魅力とは一体に何か。コロナ禍になってから初めて『斎藤酒場』へと足を運べば、この店が人々に愛される理由を、改めて思い知らされるのでした。

『斎藤酒場』の魅力といえば、第一にその価格。壁に掲げられた年季の入った短冊を見れば、その殆どが200円、300円台。高くとも焼き魚の500円台が一品あるのみ(その日によって魚も価格も変わる)。日本酒も220円~と安い。それゆえ、ネットでは、“せんべろ酒場”と取りあげられることもありますが、間違っても安かろう悪かろうの酒場ではありません。

※吉田マッスグとは……普段は本誌『食楽』の副編集長。酒場のカリスマ・吉田類氏が名付け親となり、酒場をめぐる時にだけ「吉田マッスグ」を名乗る。ここでは、その吉田マッスグが大衆酒場をテーマに、事実と妄想が交錯する酒場の物語を紹介していきます。