蕎麦マニアが推薦する! スーパーで買える本当にウマい「年越しそば」4選

プロが激推しする蕎麦4種類を食べてみた!

信州戸隠「おびなた」の、右は「信州 十割そば」、「そばの極み八割そば」
信州戸隠「おびなた」の、右は「信州 十割そば」、「そばの極み八割そば」

 神谷さんのオススメする干しそばは次の4商品。

「そばの極み 戸隠おびなた 八割そば」539円
「戸隠おびなた 信州 十割そば」388円
「滝沢更科 十割そば」367円
「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」729円

 蕎麦の種類も価格帯もずいぶん違いますね。1つ1つご紹介する前に、蕎麦を購入するときに迷いがちな「八割そば」と「十割そば」についておさらいを。

 ご存知のように「八割そば」とは、そば粉8:小麦粉2を混ぜて打った蕎麦で、通称「二八(にはち)そば」。一方、十割そばは、そば粉10割で打ったもので「生粉打ち」とも呼ばれます。神谷さん曰く、「二八そばも十割そばもそれぞれに魅力があり、商品によってずいぶん味も食感も違う」とのこと。

 ただ、共通して大事なこととして、蕎麦は繊細なので、袋に記載されている【1】ゆで湯の量、【2】ゆで時間、【3】蒸らし時間、【4】丁寧な水洗い──などを絶対守らないと「せっかくの味が台なしになる」んだそう。では、さっそくそれぞれの蕎麦の魅力をご紹介していきましょう。

信州戸隠「おびなた」ブランドの干しそば

「そばの極み 戸隠おびなた 八割そば」539円
「そばの極み 戸隠おびなた 八割そば」539円

 まずは日本の蕎麦処として名高い信州戸隠にあるそば専門会社『おびなた』の「八割そば」。信州戸隠高原の厳選した蕎麦の実を、自社工場で製粉し、その挽きたてのそば粉を使って製麺している干しそばです。

「これは八割そばの中でもかなり突出したツルツル食感。喉ごしが最高です。そして二八とは思えないほど蕎麦の香りがよくて、私は二八を食べたいときは基本的にこれしか買わないようになりました」(神谷さん、以下同)

「戸隠おびなた 信州 十割そば」388円
「戸隠おびなた 信州 十割そば」388円

 そして同社の「十割そば」もオススメだそう。
「十割は、より蕎麦粉の香りが強く、力強いタイプ。そして十割そばというと、切れやすかったり、ボソボソしたりといったイメージを持つ人も多いと思いますが、このおびなたさんの十割そばは、そうしたこともなく、なめらかで喉越しが良いのが特徴です」

蕎麦湯まで美味しい「滝沢更科 十割そば」

「滝沢更科 十割そば」367円
「滝沢更科 十割そば」367円

 続いてご紹介するのは、「滝沢更科 十割そば」367円です。

「つなぎの小麦粉は言うに及ばず、食塩も使っていない純粋な十割そばです。蕎麦の色がとても濃く、やや太め。いわゆる蕎麦らしい蕎麦で、風味がガツンと来ます。そのままでももちろん美味しいですが、このお蕎麦を食べるときは、天ぷらや天かすなどを合わせるのも楽しいと思います。また、とろりとした茹で汁は捨てずに蕎麦湯としていただくと最高に美味しいですよ」

「滝沢更科 十割そば」のそば湯
「滝沢更科 十割そば」のそば湯

 そして最後に紹介するのが、これまでのお蕎麦と一線を画すビジュアルの更科そばの「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」(729円)。この干しそばは、更科そばの総本山とも言われる東京・麻布十番の老舗『永坂更科 布屋太兵衛』の名物です。

 ちなみに「更科そば」とは、蕎麦の実を挽いたときに最初に出る粉「一番粉」(実の中心の胚乳部分)だけを使ったお蕎麦。甘皮部分が入らないために色が白く、蕎麦粉の香りは少ないものの、胚乳特有の甘みが感じられるのが特徴。

「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」729円
「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」729円

「一見するとこれ本当に蕎麦? と思うくらい真っ白で細いです。でも食べるとほのかに蕎麦の香りがあって、ちゃんと胚乳の甘みを感じます。ふんわりしていてなめらかで、とても上品な味わい。ちょっぴりお高めですが、年越し蕎麦などのハレの日に、奮発して食べてほしい逸品です」

左から時計回りに「そばの極み 戸隠おびなた 八割そば」、「滝沢更科 十割そば」、「戸隠おびなた 信州 十割そば」、「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」
左から時計回りに「そばの極み 戸隠おびなた 八割そば」、「滝沢更科 十割そば」、「戸隠おびなた 信州 十割そば」、「永坂更科 布屋太兵衛 御膳そば 極」

 というわけで、4つのおそばをご紹介してきました。蕎麦だけを並べて写真を撮ってみたのですが、ビジュアルだけでも色も麺の太さも驚くほど違うのがわかると思います。まだ年越しそばを用意していない方は、ぜひ参考にして買ってみてくださいね。

(撮影・文◎土原亜子)