来年の正月こそちゃんと覚えたい!「おせちの由来」をキッコーマンに聞いてみた

入れる料理は何? 定番料理と由来を解説!
「一の重」は、祝い肴・口取りをメインにしたもの

「一の重」に詰められることが多い料理たち。左上から時計回りに「田作り(ごまめ)」、「黒豆」、「昆布巻き」、「数の子」
「一の重」に詰められることが多い料理たち。左上から時計回りに「田作り(ごまめ)」、「黒豆」、「昆布巻き」、「数の子」

 現代のおせち料理は、その様相も様々にアレンジされている上、地方によってしきたりが異なるようですが、料理に込められた由来・いわれについて『キッコーマン』担当者の方に聞きました。

「毎年何気なくいただいているおせち料理には、年始を迎えるにあたっての様々な祈りや願が込められています。『五穀豊穣』、『不老長寿』、『子孫繁栄』などを願い、海の幸、山の幸がふんだんに盛り込まれています。

 また、おせち料理の基本は『一の重』、『二の重』、『三の重』と3つのお重によって盛り付けられており、一の重→二の重→三の重と、順番にいただくものです。それぞれのお重に詰める料理もまた地方によって様々ですが、多いものとしては、『一の重』には祝い肴や口取り、『二の重』には酢の物や焼き物、『三の重』には煮物を詰めます」(キッコーマン担当者)

 多くの思いを込めて作られるおせち料理。ここからは、「一の重」~「三の重」で詰められることが多い料理の由来・言われについて見ていきましょう。まずは「一の重」から。

『田作り(ごまめ)』……片口いわしを乾燥させたもの。片口いわしは、かつて田の肥料にもしたことから「豊年豊作」の願いが込められている

『黒豆』……「日に焼けて真っ黒になるまで、マメ(勤勉)に過ごせますように」という願いが込められている

『数の子』……魚卵の数が多い数の子の親魚のにしんが「二親健在」に通ずるもので、「子孫繁栄」の縁起物と言われている

『昆布巻き』……「養老昆布(よろこぶ)」に通じ「不老長寿」の意味がある

『伊達巻き』……形状が巻物に似ていることから「読み書きがしっかりできるように」という「学業成就」の願いが込められている

『栗きんとん』……漢字では「金団」と書き、「財宝」という意味がある。「金銀財宝」を連想させる色と合わせて「金運向上」の願いが込められている

「一の重」に詰められることが多い(左)「伊達巻き」、(右)「栗きんとん」
「一の重」に詰められることが多い(左)「伊達巻き」、(右)「栗きんとん」

「二の重」……酢の物・焼き物をメインにしたもの

「二の重」に詰められることが多い料理たち(左上)「えび」、(右上)「鯛」、(下)「なます」
「二の重」に詰められることが多い料理たち(左上)「えび」、(右上)「鯛」、(下)「なます」

 続いて、「二の重」に詰められることが多い酢の物・焼き物をメインとした料理の由来・言われについて見ていきましょう。

『えび』……茹でたり焼いたりすると、背が丸くなることから「腰が曲がるまで長生きできるように」という「長寿」の願いが込められている

『鯛』……「めでたい」に通じる語呂合わせ

『なます』……めでたいことや慶びを表現する紅色と、「清浄・神聖」を表す白色とを組み合わせたもの

「三の重」……煮物をメインにしたもの

「三の重」に詰められることが多い(左上)「れんこん」、(右上)「里芋」、(下)「ごぼう」
「三の重」に詰められることが多い(左上)「れんこん」、(右上)「里芋」、(下)「ごぼう」

 そして、「三の重」に詰められることが多い煮物料理の由来・言われについて見ていきましょう。

『れんこん』……たくさんの穴が開いていることから「先が見える」「見通しが良い」ことを表している

『里芋』……親芋からたくさんの小芋が収穫できることから「子孫繁栄」を表している

『ごぼう』……根付く野菜であることから「家の土台がしっかりする」という願いが込められている

わずか数分! 誰でも簡単にできるおせち料理「なます」レシピ

「キッコーマン 旨みひろがる 香り白だし」を使って作った「なます」
「キッコーマン 旨みひろがる 香り白だし」を使って作った「なます」

 ここまで、おせち料理の由来・いわれをご紹介しましたが、いずれの料理も調理するには相応の手間がかかり、また実際に買おうと思うと意外と高額だったりします。このため、かなりハードル高めに思えるのも、またおせち料理の特徴だったりもしますが、『キッコーマン』担当者の方に、最も手軽にできるおせち料理「だし香る!紅白なます」のレシピも教えていただきました。

材料(4人分)

・大根……1/3本
・にんじん……1/3本
・塩……小1/2
・「キッコーマン 旨みひろがる 香り白だし」……大さじ1
・酢……大さじ3
・砂糖……小さじ2

作り方

1.大根とにんじんは皮をむき、長さ5cmの細切りにする。ボウルに入れて塩をふり、軽く混ぜて5分おいて、水気をギュッと絞る。

2.「キッコーマン 旨みひろがる 香り白だし」、酢、砂糖を混ぜ合わせておく

3.ボウルに大根とにんじん、2を混ぜ合わせて完成

たった数分で完成した「なます」
たった数分で完成した「なます」

 かなり簡単に「なます」を作ることができましたが、大根・にんじんの鮮やかな色と酸味がベストマッチ。さらに「白だし」のおかげで、だしの旨みも加わり、まさにお正月に相応しい味になりました。本当に簡単にできるので、お正月、家族を手伝うつもりで「なます」を一品作ってみるのも良さそうです。

2022年も、年間を通して「食」を彩るキッコーマン

 最後にこれらを紹介してくださった『キッコーマン』担当者に新年の思いを聞きました。

「月並みですが、2022年も良い1年をお過ごしいただければと思っております。今回ご紹介させていただいた『なます』のレシピには、『白だし』を使いましたが、この他にも弊社では『濃いだし本つゆ』、『うちのごはん』シリーズなど、日々の食事づくりをお手伝いできるアイテム・レシピなどを数多く取り揃えています。ぜひ2022年も弊社商品をご活用いただきながら、美味しく、楽しい、良い1年をお過ごしいただければ幸いです」(キッコーマン担当者)

 おせち料理で始まる2022年。この1年も様々な美味しい料理をいただきながら、楽しい日々を過ごしたいものですね。

(撮影・文◎松田義人)

●DATA

キッコーマン

https://www.kikkoman.co.jp/index.html