トマトも白菜もきのこも! プロが教える便利で味が落ちない最強の「野菜冷凍術」

水分の多い野菜も冷凍できる!

 シャキシャキのキャベツ、白菜、大根などは、生で食べるのが美味しい野菜。こうした野菜は火を通してもそのシャキシャキ食感を活かすと美味しい場合が多いですよね。ただし、前述のように、冷凍すると食材の水分が凍って細胞膜が破れ、水分が流出して食感が変わります。

 冷凍は、“水の科学”とも言われていて、食材の水分の変化を念頭に置いて、あらかじめ水分の多い食品は、生の状態のときに水分をコントロールしておくことが重要。多すぎる水分を排除する方法は2つ。

・加熱しておく
・塩もみしておく

 です。

大根の冷凍術

 大きくて長い大根。料理に使うにしてもたいてい余ってしまいますが、かといって少量買うと不経済。そこで、1本買っても余った分を冷凍しておけば、美味しさと栄養が閉じ込められて一石二鳥なんです。ただし、大根は水分が多い野菜。そこで、あらかじめ加熱してから冷凍すると、次回使うときにとても重宝します。

大根は加熱後に冷凍するのがコツ
大根は加熱後に冷凍するのがコツ

 皮を剥いて2cmの輪切りにし、耐熱ボウルに入れてラップをかけ、電子レンジで3分ほど加熱したあと、粗熱をとってフリーザーバッグで冷凍します。

 冷凍した輪切り大根は、おでんや煮物など加熱料理に最適。調味料の味が染みやすく、生で火を通していくより短時間で料理が完成します。

 ちなみに、大根は生の状態で千切りにして冷凍したり、すりおろして製氷皿で冷凍してもOK。千切りは味噌汁に、すりおろしは魚や天つゆに合わせたり、何にでも使えます。次回使うことを想定して冷凍することを私は「段取り冷凍」と呼んでいます。大根はまさに段取り冷凍に最適な食品なので、時間があるときにまとめて冷凍しておくと便利ですよ。

白菜やキャベツなどの葉野菜の冷凍術

 白菜やキャベツといった大型野菜は、野菜室でも場所を取るうえ、日持ちしないのが特徴です。とくに白菜は、鍋のために買ったはいいけど、結局余らせてしまいがちな野菜。こうした大型野菜も食べきれなかったらすぐに冷凍するのがオススメです。

200gに対して小さじ1/3(1%)の塩を振ってもみこんで30分置きます
200gに対して小さじ1/3(1%)の塩を振ってもみこんで30分置きます

 白菜やキャベツも大根同様、水分が多いので、冷凍する前にちょっとしたコツがあります。大根の場合はレンチン加熱しましたが、白菜やキャベツは一口大にカットして塩もみしてから冷凍するのがポイントです。

水をしっかり搾ってフリーザーバッグへ
水をしっかり搾ってフリーザーバッグへ

 塩もみして30分ほどすると、水が出てきます。この水を手でぎゅっと搾ってから冷凍するわけです。すると生のときのシャキシャキ感は失われますが、スープや煮物の煮込み料理、炒める場合はあんかけ料理などに活用すればまったく問題ありません。冷凍後の変化があっても、それに合った調理方法をチョイスすれば、何でも美味しく食べられるのです。