色は一番鮮やかだが、辛味一辺倒ではなく甘さもほのかに感じる「平塚明太子」
そして、一番色が鮮やかだから、一番辛いのかも、と思っていた「平塚明太子」。実は『かば田』の方がが辛味がしっかりしていた。
「『平塚明太子』は、本来なら辛さが10段階あって、激辛まで辛さが選べるんですよ。他の明太子メーカーに比べたら登場したのが少し後(昭和46年に発売)なので全国的な認知度は低いかも知れませんが、新しいからこそチャレンジ精神があった明太子だと思います。10辛の明太子は食べたことないですが、7辛(中辛)を子どもの頃、友人の家で食べた時は予想以上の辛さにビックリしたことを覚えています。辛さに抵抗がある人は、5辛ぐらいから始めた方が良いと思いますね」。
いろんなものにかけて食べたくなる旨さ!明太マヨがうっとりするぐらい素敵
この色の鮮やかさと甘辛い味わいを味わうには、そのままもいいけれど、マヨネーズと混ぜて明太マヨに。マヨネーズと明太子をほぼ同量で混ぜたところ、オレンジ色も綺麗な、贅沢ディップが完成。で、生野菜も合いそうだけれど、ブロッコリーやアスパラ、ジャガイモなど茹で野菜と合わせたら、もぉたまらん! ジャンクフードのような癖になる、あの感覚! 明太マヨというものを、初めて作った人に感謝したくなる美味しさでした。
ちょっとお高めだけのことはある!『稚加榮』の「お徳用 めんたい切子」
最後は『稚加榮』の明太子。
「『稚加榮』は明太子というより料亭のイメージが強いですね。元々、福岡市内で有名なお店です。なので、明太子にも和食の要素が多く、口に含んだ瞬間に口に広がるダシ感が特徴だと思います。さらに『稚加榮』の明太子は、福岡の人が同じ福岡の人へのお土産に選ぶほど地元でも高価なイメージもあります。我が家でも『稚加榮』の明太子を貰った日は親のテンションがちょっと高かった気がしますね」。
空港内のショップや販売しているところを色々みたけれど、ここは他の4つのような箱&包装紙の明太子は2000円台からなので、1000円台で買うならお徳用サイズの切子に。
文句なしでオンザライス!一切れでゴハン2杯は余裕でいける
5つの明太子の中でどれがゴハンに一番合うのか選ぼうとしたけれど、それぞれに良さがあって選べない。最初に聞いた、問「明太子どれがうまい?」答「全部」ってのが納得。でもその中で、超個人的ですが、しみじみうまいのが『稚加榮』の明太子。切子一つでお茶碗のゴハン2杯余裕でいける。
福岡産の今回買ったお米、ねっとり甘いとかじゃなくて、割とすっきりとしたみずみずしさを感じるお米のせいか、明太子の辛さと旨みにものすごく合う。やはり地元のものは地元のものとの相性バッチリなんだなぁ~。ダシ感のある明太子、というのにものすごく納得です。
福岡名物辛子明太子って言っても、その味は千差万別。いや、本当に、一つとして同じものがない。本当にランキングなんてつけられないって今回の食べ比べにより実感。東京モンが気軽にどれがうまいの~? なんて聞いちゃダメだった。
ということで結論。明太子は全部旨い。そして福岡県出身者が王道と思う明太子にはハズレなし! 地元の名産品は、地元民に聞いてから買えば、どれも極上の美味しさ、ってことでした。
(取材・文◎いしざわりかこ)