ロシア=ウォッカは誤解!? ロシア人に聞いてわかった本場の酒飲み事情

お酒はウォッカだけなの? ロシアで愛されるお酒とは?

ロシアを代表するお酒「ウオッカ」で「ザ ナース」と乾杯! 「ザ ナース」は、我々のために乾杯という意味。他にも“健康の為に”のような乾杯の表現もあります!
ロシアを代表するお酒「ウオッカ」で「ザ ナース」と乾杯! 「ザ ナース」は、我々のために乾杯という意味。他にも“健康の為に”のような乾杯の表現もあります!

編集部:ロシアのお酒事情について聞いていこうと思うのですが、ロシアといえばウォッカを飲むイメージですが、実際はどうなのでしょうか?

ニゴラさん:ロシアは寒い国だから昔は冬、男性はウオッカを飲まなければなりませんでした。ですが今では、若者はビールですね。ウオッカは年配の人が食事が終わったあと少し飲んで寝るという感じです。

編集部:え!? ロシアでは、ウォッカをあまり飲まないんですか。

インナさん:そうです。今では年配の人と、すぐに酔えるのであまりお金のない学生がよく飲むお酒というイメージです。

ロシアでは酒による健康被害が多かったため、国の政策として、夜間(都市によって異なるが早いところで21時~翌朝8時位まで)の飲食店以外の酒の販売は禁止されている。(旧ソ連時代は、酔っぱらって外で寝てしまった人達は捕えられ、農作業などの罰則がありました。)
ロシアでは酒による健康被害が多かったため、国の政策として、夜間(都市によって異なるが早いところで21時~翌朝8時位まで)の飲食店以外の酒の販売は禁止されている。(旧ソ連時代は、酔っぱらって外で寝てしまった人達は捕えられ、農作業などの罰則がありました。)

ニゴラさん:ウオッカは安いのもあるし、透明で不純物が少ないから、ロシアのお酒の中でいちばん胃に良いと言われています。飲み過ぎはダメだけど健康の為、少し飲むのがいい。または15分もあれば楽しくなるから、そのあとダンスをすることも可能です(笑)。あとはシメとして、度数の高いウオッカを飲むことが多いですね。ウオッカの正しい飲み方は冷凍庫で冷やして飲むこと。度数が高いので凍りません。温めて飲むのは絶対NG。これは危ないです。

インナさん:ロシアは、乾杯はシャンパンからが多いです。

ニゴラさん:女性はシャンパンが好きでしょ。だからシャンパンで始まって、最後にシメでウオッカを飲むという感じです。逆はないです。悪酔いしちゃいます。これは気をつけたほうがいい。日本人はなんでもチャンポンして、駅の前で寝ていますよね(笑)。

編集部:確かに(笑)。気をつけます!

日本ビールも大人気! 実は隠れたビール大国ロシア

パッケージの数字は度数を表すのでわかりやすい
パッケージの数字は度数を表すのでわかりやすい

編集部:続いて、若者が好きだというビールについて教えてください。聞くところによると、ビールの消費量も世界第6位(※当社調べ)なんですよね?

インナさん:はい、「バルチカ」というビールが大人気です。たくさん種類がありますが、番号が振られていて、味とアルコール度数がわかるようになっています。

ニゴラさん:3番は3%、安全に楽しめます。9番は9%と高アルコールなので、飲み過ぎると危険(笑)。種類も多いです。ビールは大きなスーパーだと100種類くらい売っています。

編集部:100種類もあるんですか!? 全部ロシア産ですか?

インナさん:ロシア産でそれくらいありますよ。あと実は日本のビールも人気があります。アサヒとキリンがよく飲まれています。高級なイメージで、大きなスーパーでも販売していたり、高めのレストランにあります。

日本でも有名なあの曲がモデルのワインも!

国内の生産が少ないロシアでは、コーカサスのジョージア(旧グルジア産)のワインが人気
国内の生産が少ないロシアでは、コーカサスのジョージア(旧グルジア産)のワインが人気

編集部:それ以外のお酒はどうですか? ワインとかは?

ニゴラさん:ワインも人気ですね。ロシアの文化にはあまりワインはないのですが、グルジアではワインを作っています。今はジョージアと言いますね、旧ソ連の共和国でした。フルーティーな味わいです。

インナさん:ジョージア(グルジア)産のワインは超最高です。食前酒やお肉に合わせたワインを飲みます。特にコーカサス地方のワインって美味しいんですよね。

ニゴラさん:ボトルがとっても可愛くて、飲んだ後にインテリアとしても使えます。真ん中の茶色のワイン(※写真左から3本目)には秘話があります。「100万本の薔薇」って歌、日本人知っているでしょ? あのモデルがこのワインのボトルの絵です。これは物語じゃなくて、実話なんです。この画家の絵をボトルにしたワインなんですよ。このワイン“ピロスマニ”は、自然な赤のやや辛口ワインの珍しい例です。世界的に有名なジョージア(グルジア)の画家、ニコ・ピロスマニにちなんで名づけられました。

(※)「100万本の薔薇」…貧乏な画家(ニコ・ピロスマニ)が恋をして、家財道具を全部売って彼女に100万本の薔薇をプレゼントしたというジョージア(グルジア)の実話。

編集部:実話だったんですね。加藤登紀子さんの歌ですよね。ロマンチックですねー。あと、赤と白、どちらが飲まれるとかありますか?

インナさん:それはどちらも。食事に合わせて飲むという感じ。

ニゴラさん:だからお肉には赤、魚には白、といった感じです。

編集部:それは日本と同じなんですね。