廃材を食べるアース・キュイジーヌ? サステナブルな食イベントは驚きの連続だった!

「美味しいの先にある」食べることの大切さ

枝を粉砕機にかけてパウダー状に。これが驚きのチョコレートに変わる
枝を粉砕機にかけてパウダー状に。これが驚きのチョコレートに変わる

 今回、「ECOLATE」をつくったのが『SUGALABO』などの数々の名店でシェフパティシエを務め、現在は虎ノ門『unis』でシェフパティシエを務める江藤英樹氏と、『Social Kitchen』ディレクターであり、「ジャパンケーキショー」にて3度の金賞を受賞したことがある上妻正治氏のふたり。

「ECOLATE TABLETTE」1760円(税込)
「ECOLATE TABLETTE」1760円(税込)

 江藤氏が手掛けたのは、「ECOLATE CARRE」という3種のひと口チョコレート。なかでも秀逸なのはモスグリーンのキャレ。カカオ豆の殻、枝、葉を30%ほど混ぜたもので、これは、カカオの葉は伐採してそのまま地面に放っておくと、湿気がたまりカカオ樹の病害の原因になることに目をつけたそう。サクサクしたなかに、“湿度を感じる、しっとりした食感には、カカオ農園の姿までもイメージさせてくれました。

「ECOLATE CARRE」2200円(税込)
「ECOLATE CARRE」2200円(税込)

 一方で上妻氏が考案したのは「ECOLATE TABLETTE」。こちらはカカオ豆の殻の使用率を33%にまで高めつつ、チョコレートらしい滑らかな質感にこだわった一品。風味は豊かながら、苦味の強いカカオの殻とのバランスを取るため、一般的な砂糖に比べ甘味の強い果糖やキビ糖などをブレンド。ほのかにカカオの殻のパウダー感を残しつつも、ココナッツの豊かな風味、ほろ苦さ、甘さ、酸味のバランスが絶妙なチョコレートに仕上がっています。

 カカオの廃材を使いながら、決してコンセプト重視にならず、美味しさが蔑ろにされていないのは、ふたりのパティシエの技術の高さがあるからこそ。

 迫りくるチョコレート危機、そしてカカオを取り巻く問題。「ECOLATE」が、「美味しいの先にある、食べることで考える」ことの大切さを教えてくれました。

●DATA

LIFULL Table

住:東京都千代田区麹町1-4-4 1F
TEL:03-6774-1700
https://table.lifull.com/