2020年を総ざらい! 『食楽web』編集部が選ぶ2020年の「ベストグルメ」は?

2020年に編集者たちが印象的だったお店は?

荻窪『人と羊』の「ひつじそば」
荻窪『人と羊』の「ひつじそば」

かね太:コロナ禍で店舗取材が難しかったけど、皆さんはどんな味に出会いました? 印象に残っているお店を教えてください。

T:僕の場合、趣味の海外旅行に出かけられなくなったので、「現地に行った気分になれる店」をテーマにして店を巡ってました。

まみくま:GoToも微妙な感じだし、東京には旅気分が味わえる店も多いから、それはいいかも!

T:けっこう衝撃的だったのは、荻窪の教会通りで、月曜夜だけ間借り営業してる『人と羊(ひととよう)』っていう羊ラーメンのお店。めちゃくちゃ作り込まれた羊のパテ・ド・カンパーニュ、羊の肩ロース、羊のコンフィなんかがのってて、ラーメンというより、もはや完全に新しい羊料理。羊骨からとったスープを絡めて麺をすすると、羊ならではの芳香がぶわっと鼻に抜けて、もうなんだか気分は完全に遊牧民(笑)

かね太:ああ、あそこ! かなり熱烈なファンが列をなしてると噂ですね。

『SUNSET BEER FC』の「キューバンサンドイッチ」
『SUNSET BEER FC』の「キューバンサンドイッチ」

T:あとは新井薬師前の『SUNSET BEER FC』もよかったです。キューバ料理の名店を食べ歩いた店主が作る、キューバンサンドイッチの専門店。ラードを練り込んだパンに、8時間くらいかけて焼き上げるローストポークやハム、チーズ、ピクルスを挟んで、プレス機でバターを塗りながら焼いていくんだけど、カリッと香ばしいパンと旨みたっぷりの具材が見事に調和していて、危うく中毒になりかけた(笑)

まみくま:美味しそう! キューバンサンドイッチのお店って、実はほとんど日本にないよね。

かね太:自分の場合、コロナで家にいることが多かったので、暗い気持ちを少しでも明るくできるような、“見た目に楽しく、ワクワクする”お店によく足を運びました。

『イル ジェンティーレ』(恵比寿)のオムライス
『イル ジェンティーレ』(恵比寿)のオムライス

かね太:印象深いのは恵比寿の『イル ジェンティーレ』の「オムライス」。見て美しく、割って楽しく、食べて美味。美しい半円形のフォルムのオムライスの中にポーチドエッグが入っていて、スプーンを入れた瞬間に玉子の黄身がとろ~りと流れ出てくるんです。

まみくま:うわ、美味しそう! 動画を撮りたくなる。オムライスは家庭でも作れる料理だからこそ、プロの腕が試される奥深さがあるよね。

かね太:何十時間もかけて旨みを引き出した赤ワインソースがまた美味しくて。濃厚&ビター。ご飯は胡椒を効かせたバターライスで、卵とソース、ライスのバランスが絶妙。まさに大人のオムライスという印象です。

『AWANOUTA』の「ムール貝のエスプーマ塩ラーメン」
『AWANOUTA』の「ムール貝のエスプーマ塩ラーメン」

かね太:あとは、湘南の七里ガ浜にある『AWANOUTA』の「ムール貝のエスプーマ塩ラーメン」。ムール貝を煮詰めたスープを泡状にして塩ラーメンに加えた一杯。もはやラーメン界にも当たり前のように化学の波が到来してることに驚きました(笑)

T:動きがあって、エンタメ性も高いのが今どきの料理っぽいね。