ラーメン官僚が絶賛! 煮干しラーメンとイタリアンが融合した「にぼにぼちーの」とは?

煮干しとイタリアンは今年の最注目株のひとつ!

 券売機に向かうと、何やら見慣れない文字が踊っています。「肉にぼにぼちーの」と「肉にぼにぼなーら」の2品が看板メニュー。券売機に掲載されている商品の画像からも明らかですが、いずれも、いわゆる「スープoff」、ジャンルとしては「汁なしラーメン」にカテゴライズされる1杯となっています(実際にはもちろん、麺を和えるスープは作っているんですけどね)。

「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」はそれぞれ、商品名から推測できるとおり、パスタの「ペペロンチーノ」と「カルボナーラ」をモチーフとした1杯。

「料理の仕事をしていた母親が毎日のように作ってくれていたのがパスタで、母親が作っているパスタを見様見真似で作っているうちに、パスタを作ることが習慣になっていました。中でも特に、ペペロンチーノとカルボナーラは大好物で、得意料理でもありました」と語る、吉田店主。

「にぼにぼちーの」900円
「にぼにぼちーの」800円

 そんな店主の生活に根ざした経験と、修業先の『自家製麺 伊藤』で培った煮干しラーメンづくりの技術とを総動員して創られたのが、この「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」なのです。 

 お店の雰囲気と券売機に掲げられたメニュー画像、そして、これまでの食べ歩きの経験から、「この店のラーメンは間違いなく当たりだ!」と確信。初めから「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」を両方いただくつもりで、まずは、「にぼにぼちーの」を注文。待つこと数分、「にぼにぼちーの」の完成です!

 提供された同品は、余すところなく引き出された九十九里産高級煮干しのうま味を、昆布や青森シャモロックの分厚い滋味がしっかりと支える、見事としか言いようのない構成。

 煮干しを包み込む青森産にんにくとオリーブオイルの芳香が、鼻腔を心地良くくすぐり、箸を持つ手が止まりません。煮干しの力強い風味を前面へと押し出しながらも「和」に傾き過ぎることなく、イタリアンのテイストも明確に表現された、驚愕の一品です。

 瞬く間に「にぼにぼちーの」の器を空にし、間髪を入れずに「肉にぼにぼなーら」をオーダーします。

「肉にぼにぼなーら」
「肉にぼにぼなーら」1100円

 提供された「肉にぼにぼなーら」は、煮干しの雄々しいうま味と、生クリームの濃密なうま味とが、口の中でせめぎ合い、舌上でピタリと一体化。これまでのラーメンには存在しなかった、全く新しい味わいを生み出すことに成功しています。

「ラーメンという食べ物がまた、新しい可能性を切り拓いた!」そんな思いに胸をときめかせながら、連食の2杯目だったにもかかわらず、あっと言う間に完食してしまいました。

 現状、東京はもちろん日本全国を探しても、同店以外では味わうことができない「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」という傑物。

「自分が作るラーメンで、たくさんの人たちを笑顔にすることができれば」と、笑う店主。

 オープンからまだ日が浅いにもかかわらず、既に、驚異的な数のリピーターを生んでいる同店。2020年東京ラーメンシーンの「台風の目」となることは、もはや疑いようもない事実でしょう。

店主(吉田竜太郎氏)プロフィール

店主(吉田竜太郎氏) 画像

・店主は、東京都出身。
・『中華そば屋 伊藤』と『自家製麺 伊藤』の味に惚れ込み、同店に弟子入り。同『銀座店』の店長として日々、腕をふるい続ける傍ら、食べ手を選ばない「煮干しラーメン」とはどのようなものなのかを命題に探究。
・煮干しを素材とする「和」の味と、イタリアンが持つ「洋」の味とを融合させることこそ、その命題の答えのひとつなのではないかと思い付き、自店『煮干しNiboNiboCino』にて、それを実現。
・これまでになかった発想で紡ぎ出される1杯は、これまで煮干しラーメンを敬遠していた層をも虜にしている。

●SHOP INFO

煮干しNoodles Nibo Nibo Cino(ニボシヌードルズニボニボチーノ)外観

店名:煮干しNoodles Nibo Nibo Cino(ニボシヌードルズニボニボチーノ)

住:東京都品川区旗の台2-13-14
TEL:03-3788-1270
営:11:00~14:00、17:00~21:00、土曜11:00~14:00
休:日曜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。