カルボナーラかボンゴレか? 老ける食事、老けない食事の見分け方

AGEは体の“こげつき”だった

「AGEとは、 タンパク質と糖が熱によってベタベタとくっつく糖化現象で、最終的に元に戻れなくなった物質(終末糖化産物)のことです。ベーコンをカリッとフライパンで焼く、あのこげつき現象がまさにそれです。私たちの体はほとんどがタンパク質でできており、糖をエネルギー源として利用しているので、この現象が人間の体内でも起こってしまいます。特に、食後は血糖値が上がりますので、血中のタンパク質にくっついてAGEが作られやすくなるのです」(山岸先生・以下同)

 そのAGEがまさに老化スピードを早めたり、健康を阻害するというわけ。例えば同じ50歳の人でも、若々しく見える人と老けて見える人がいますが、AGEが皮膚にたくさん貯まると、コラーゲンが損なわれてしわやたるみになり、また頭皮の毛乳頭細胞のところに貯まると髪の毛の成長が抑えられて、薄毛になったりもします。また、AGEは、心筋梗塞や脳梗塞、認知症、うつ、白内障、歯周病、骨粗しょう症などの病気の一因にもなるそうです。

AGEは1968年頃、糖尿病患者の血液中の赤血球を調べた際に、健常者とは違い、糖がくっついた状態だったことがわかったのが発端で研究が進んだそう
AGEは1968年頃、糖尿病患者の血液中の赤血球を調べた際に、健常者とは違い、糖がくっついた状態だったことがわかったのが発端で研究が進んだそう

 ちなみに、老化や病気の原因の一つとして「酸化」が有名です。酸化は、体内で過剰に発生する活性酸素によって、体の細胞やタンパク質が “さびつく”酸化現象。一方、AGEの場合は、前述したように“こげつき”現象。鶏の唐揚げのようにカラッと揚げる、肉をこんがり焼く、玉ねぎを飴色に炒めるなど、いわゆる褐色に変わるあの現象を「メイラード反応」と言いますが、それが人間の体内で起こっていると考えると怖いですね。

AGEはどうして体にたまる?

揚げ物はAGEが多い料理
揚げ物はAGEが多い料理

「AGEは、2つの方法で私たちの体内に蓄積されます。1つは前述したように体内で作られるAGEの蓄積。高血糖状態が長く続く人ほどAGEはたくさん作られてたまります。また、食べ物や飲み物などにもAGEが含まれており、AGEの多い食べ物を多く食べ続けていると体に蓄積されるのです」

 AGEの蓄積をゼロにはできないのですが、食事から摂るAGEの量をコントロールすることはできます。すなわち、AGEの少ない食事を心がけることで老化スピードや病気予防につながるのです。