欲望を刺激する激ウマG系ラーメンを『ウチデノコヅチ』(経堂)で食べてきた!

G系と侮るなかれ! 2種類の豚骨が織りなす旨さの波状攻撃に脱帽する一杯

「ラーメン」850円に「パイカ」250円トッピング
「ラーメン」850円に「パイカ」250円トッピング

 私のおススメは、「ラーメン」の「パイカ」トッピング。待つこと数分。提供された同品は、2種類の豚骨の持ち味が完膚なきまでに引き出されたスープの、類まれなほど芳醇なコクが魅力。

 店主は、「一つひとつの骨から全ての味を引き出す」ことにこだわり、その実現のため、スープの煮込み時間、煮込むときの火の強さから、煮込む前の仕込みに至るまで、考えられる中で最善の行動を選択。

 スープが舌先に触れた瞬間、錘(おもり)のように重厚なコクを味蕾が感知し、その後、ひと息つく間もなく、柔らかな豚のうま味が口の中いっぱいに拡がります。

 塩分、うま味のバランスもすこぶる良好。ボリューミーなガッツリ系ラーメンにおいては珍しい、食べ終わりまで好感度が上昇し続ける1杯。そのクオリティの高さは、まさに修業元譲り。特筆に値します。

 こんなフルボディのスープの相棒役を務め上げるのが、店主が選び抜いた名門『三河屋製麺』製の平打ち麺。麺肌のモッチリとした感触が唇を介して伝わる、存在感のある一品。トロリと粘度があるスープを絡め取り、懸命に口元へと運び込むその甲斐甲斐しさに、食べ手は、愛着すら覚えることでしょう。

動物系のスープによく絡む麺は、美しい光沢を放ち食欲をそそる
動物系のスープによく絡む麺は、美しい光沢を放ち食欲をそそる

 その他、肉厚でジューシーな「豚」、トロリと柔らかな「パイカ」、紅しょうがの香りが鮮烈な「紅つくね」など、脇を固める布陣の仕上がりも上々。

 色とりどりの「おいしい」が詰め込まれた、宝箱のような1杯。「味の微調整など、お客さんの要望には幅広く対応していきたい」と店主。店主と一緒に、自分好みの味を探していきたい。『ウチデノコヅチ』なら、そんな願いもバッチリ叶えてくれそうです!

店主(樋口直樹氏)プロフィール

樋口直樹氏 画像

 出身は、福岡県八女市。屋号の『ウチデノコヅチ』は、実家(梨農家)の家紋が「打出の小槌」だったこと、打出の小槌をひと振りすると、豚、穀類等の農産物が出てきたという伝説になぞらえたことによるもの。

 店主の前職は、ミュージシャン。福岡の高校在学時代にラーメンの魅力の虜となり、上京後もラーメン食べ歩きを継続。ラーメン職人へと転身した後は、経堂の二郎系ラーメンの実力派で修業し、店長を務めた後、満を持して『ウチデノコヅチ』を創業。

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(※)この店舗は、『アイバンラーメンPLUS(閉店)』『博多一幸舎』など、複数のビッグネームが出店した経緯を持つ、ラーメン好きにとっては有名な物件である。

●SHOP INFO

ウチデノコズチ 外観

店名:ウチデノコヅチ

住:東京都世田谷区経堂2-3-8 但馬屋ビル 1F
TEL:03-6339-2223
営:11:30~14:30、18:00~22:00
休:水曜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。