漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】

浦安の街と魚の魅力を、
これからも伝え続けたい。

 取材時に印象的だったのが、まだ開店から一週間という時期にもかかわらず、店が地域にすっかり溶け込んでいたこと。特に、年配のお客さんが続々と来店してはテキパキと魚を選んでいく姿に、鮮魚店の登場が待ち望まれていたことを強く感じました。「魚の食べ方に詳しいお客さんもいるから、勉強になるし、すごく楽しいよ」と森田さん。

 一方、魚の買い方に慣れていない若いお客さんには、「友達だと思って、わかんないことはなんでも聞いて!」と笑いを交えて話しかけ、昔からどの街にも必ず一人はいた、ちょっぴりお節介で親身な店の大将に徹します。

「2号店を始めて感じたことは、思ったよりも魚屋が必要とされているなってことだね。これからも、街や魚食文化を盛り上げることをしていきたいな。あ、もちろんバンドで紅白出場も目指すよ!」

 サンダル履きにすっぴんで通える場所に、真摯で頼れる魚屋さんがあるという贅沢。個人的住みたい街ランキングに、浦安が急浮上したのは、言うまでもありません。

漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】
境川のほど近くにある「鮮魚 泉銀 堀江店」。取材時は開店祝いの花輪が店先を彩っていた。一つ挟んで右隣は、森田さんオススメの食堂「ひねもすのたり」。買い物がてら定食ランチを楽しむのもよさそう。店の前を市のコミュニティバスが走るので、バスで舞浜や新浦安方面へ足を伸ばしても◎。
漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】
店内で調理される旬魚・旬貝のフライは店の人気商品。15:00頃から店頭に揚げたてが並ぶ。取材時は、岩手県釜石市産のブランド「桜満開牡蠣」を使った贅沢カキフライが登場!おかずにするのもよし買い食いするのもよし。
師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】
堀江店で扱う生魚は、「鮮魚 泉銀」の看板商品である天然ミナミマグロのほかに、日常使いできるアジやサケなどが中心。「クジラやレアな魚は魚市場店、日常的なものは堀江店と、使い分けてもらえたら嬉しいな」。
漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】
浦安名物といえば焼きアサリに焼きハマグリだが、街の人もやっぱり貝が好き。「貝を食べたがる人が多いから、仕入れも気合いが入るよね」と森田さん。この日は、大ぶりの新鮮な赤貝やサザエがお目見え。
漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<後編>【房総food記】
店の一角には、千葉県大網白里産のコシヒカリ(5kg 1800円)や、森田さんの同級生が営む老舗佃煮店「西敏商店」の佃煮各種など、魚に合うおいしい県産品も鎮座。日参できるご近所さんがうらやましい。

●SHOP INFO

店名:「鮮魚 泉銀 堀江店」

住:千葉県浦安市堀江3-25-1
TEL:047-713-8274
営:11:00~18:00頃(日曜15:00~)
休:月・土曜休(土曜および日曜午前は「浦安魚市場店」にて営業)
駐車場:なし(ただし近隣にコインパーキングあり)
カード使用不可 地方発送可 東京メトロ東西線「浦安駅」南口より徒歩11分、浦安市コミュニティバス「おさんぽバス/舞浜線」(新浦安駅~舞浜駅)の「堀江5番通り」停留所または「堀江2丁目」停留所から徒歩1分。
※「漁港」や「鮮魚 泉銀」の最新情報については「漁港」のオフィシャルHP(http://www.gyoko.com/index2.html)、及び森田さんのオフィシャルブログ「漁港 森田釣竿の航海日誌」(http://ameblo.jp/tsurizaomorita/)をチェック。魚介や海関連の漢字を駆使した、独特の文体が魅力のブログやSNSも必見!
7月17日(月・祝)の海の日には高齢のワンマンライブも開催。当日券などのチケット情報は上記HPまで。

●著者プロフィール

白井いち恵

千葉市育ち&在住の編集者・ライター。『千葉の本』『千葉の本2』(京阪神エルマガジン社)を手がけ、出身地・千葉県の知られざるおいしい&楽しいを大特集した。路線バス好きでもあり、著書に『東京バス散歩』(同上)。