旨い店はタクシー運転手に訊け! 炭火豚バラがてんこ盛りの帯広豚丼『ぶたいち』にどハマりする理由

肉屋の目利きが光る特上バラ豚丼

「特上豚バラ丼」の大盛(肉8枚・ごはん360g)1,480円
「特上豚バラ丼」の大盛(肉8枚・ごはん360g)1,480円

 人形町駅から徒歩2分というアクセスのいい場所にあり、店の雰囲気もじつに気さくな感じです。

 まず、お店に入ったらすぐに「豚丼」の種類を把握することが大事です。

 十勝および北海道産の豚を使用した定番の「ロース豚丼」、「バラ豚丼」、その両方が味わえる「ミックス豚丼」。そしてそれぞれに“特上”があります。特上は、プミアムポーク「ルスツ豚」を使っている、とっておきのゴージャスな豚丼なんです。この2系統をしっかり把握することが大切です。

 そしてそれぞれ、サイズがあります。レギュラー、大盛、特盛、小盛。ちなみにご飯の量はレギュラー280g、大盛360g、特盛440g、小盛170gで、肉の枚数も異なります。そんなふうに老若男女や腹具合に合わせてチョイスできるのも嬉しいですよね。

 私がオーダーするのは、必ず「特上豚バラ丼」の大盛(肉8枚・ごはん360g)1,480円です。最初に行った時は、通常のタイプを食べました。もちろん、しっかり美味しかったのですが、一度、プレミアムポークを食べてしまうと、肉の旨みが濃くて、後戻りできなくなっています。

 そうそう、『ぶたいち』さんは、もともとは食肉加工卸会社が直営する豚丼専門店。肉屋の目利きがあるからこそ、肉の選別はもちろん、その調理法、タレにこだわりが深いんです。

 浸けダレは、北海道産の昆布や丸大豆醤油などを独自の配合で仕込んだ特製。熟成密封(真空で低温熟成)しているそうです。焼く直前まで空気に触れさせないため、酸化が防げて、何よりも安全なのだそう。漬け込むことにより驚くほど軟らかく、肉のジューシーさを封じ込めることができるんですね。

 備長炭で焼かれた特製の豚バラは、かなり厚みがありますが、ほどよく脂が落ちて、全くしつこくありません。そして燻されたことで非常に香ばしく、サクッとした歯ざわりで非常に心地いいんです。

 そこに合わせるタレは、甘みがかなり強いタイプ。この甘さは、もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれません。私は、ほどよい甘さに感じますが、じつは、注文時にタレを少な目でオーダーしておきます。それは、無類の白飯好きなので、ごはんの味もしっかり味わいたいから。しかもこちらのお米は、新潟県産の特別栽培米のコシヒカリ。これが旨いんですよ。

 毎日、精米したてをガス釜で炊いているそうです。常に炊き立てなので、適度な粘りがあり、やや固めなので、タレを吸い込みすぎないのもいいんです。お漬物も北海道の野菜で手作りしているそうです。

 1,480円と、一食にしては少しお高めですが、それに見合うボリュームと、細やかな手仕事が光る豚丼です。しかも会計後に次回100円割引券がいただけるので、私はいつも1,380円で食べています。ちなみに昼営業のみなので気を付けてくださいね。ぜひ、みなさんも『ぶたいち』の豚丼を堪能してみてください。

(撮影◎荒川治 監修・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

ぶたいち 日本橋人形町店 外観

店名:ぶたいち 日本橋人形町店

住:東京都中央区日本橋堀留町1-8-11日本橋シゲマツビル1F
営:11:00~14:30
休:年末年始のみ

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。