絶対喜ばれる極上おもたせ菓子! 京都の老舗『老松』の「夏柑糖(なつかんとう)」とは?

見た目も美しい、夏らしいビタミンカラーにテンションが上がる!

写真は自宅用(1,296円)、贈答用の箱入りは1,512円。
写真は自宅用(1,296円)、贈答用の箱入りは1,512円。

 販売元である『老松』は、京都の一番古い花街・上七軒で1908年(明治41年)に創業。今年で110周年を迎える老舗和菓子店です。創業時から儀式や典礼、お茶席に供する有職菓子を作り続けています。店名の由来は北野天満宮の第一摂社で、菅原道真の家臣・島田忠臣を祭神とする老松社(おいまつしゃ)にちなんでいます。明治時代の創業ながら、祖先は公家で朝廷の儀式に使う菓子や神饌などを調製していた、非常に歴史のあるお店なんです。

袋から取り出すと夏みかんの香りが漂います
袋から取り出すと夏みかんの香りが漂います

「夏柑糖」は、日本古来の夏みかんの中味を丁寧に取り出し、器にした寒天菓子。夏みかんの実だけを絞った果汁に少量の砂糖を加えた寒天を皮の器に流し入れ、冷やし固めています。戦後の物資が少ない時代、上七軒に通う旦那衆のために庭にあった夏みかんで作ったのが発祥だそうです。当初は夏みかんの強い酸により寒天がなかなか固まらず、苦労したそうですが、今も当時と同じレシピで作り続けられています。

ほろ苦くさっぱりした、上品で懐かしい味わいが魅力

寒天のほろっと崩れる食感に癒される上品な味わい
寒天のほろっと崩れる食感に癒される上品な味わい

 食べる直前に平割(1/2)か四つ割(1/4)に切ると、さわやかな夏みかんの香りが漂ってきます。それをお皿に盛り付け、スプーンですくうと、黄金色に輝くキラキラとした光沢の寒天が現れ、見ているだけで涼やかな気分になりますね。

 口にほおばると、ほろ苦くさっぱりとした上品な味わいが口いっぱいに広がっていきます。そして、寒天のほろっと崩れる食感は、清涼感抜群。奇をてらわない安定感があり、シンプルな昔ながらの味わいに癒されるお菓子です。

夏みかんの保存にも尽力

 主原料の夏みかんは数少ない日本原産の柑橘です。1970年(昭和45年)頃より政府が甘夏への移行を奨励したり、グレープフルーツの自由化により農家が減少しました。『老松』は、夏みかんの消滅を危惧し、山口県萩の農家を回り夏みかんの作付を働きかけ、契約農家と共に夏みかんを復活させました。このように食文化の継承にも取り組んでおり、現在は萩と和歌山の産地とも協力しているそうです。

食べ終わった後にこんな楽しみも

最高級の夏みかんを使用しているため実は皮がおいしく、柑橘ピールを作るとかなりおいしい
最高級の夏みかんを使用しているため実は皮がおいしく、柑橘ピールを作るとかなりおいしい

 この「夏柑糖」に使われる夏みかんは、かなり大きめのしっかりとした最高級のもの。そのため、この器の皮で作る柑橘ピールが、実は絶品なのです。手間はかかりますが、試してみる価値がある一品です。気になる人は、「夏柑糖 ピール」などで検索してみてください。

・・・・・・・

『老松』のお菓子作りは全て手作業で行われているため、他のお菓子も丁寧な仕事がうかがえる逸品揃い。「夏柑糖」は夏みかんの在庫が終了次第販売も終わるため、確実に入手したい場合は、電話で予約するのがオススメ。この時期にぴったりの爽やかなお菓子を、手土産やお世話になっている方へのお中元に送ってみていかがでしょうか。

●SHOP INFO

店名:有職菓子御調進所 老松

住:東京都新宿区新宿3-14-1 新宿伊勢丹地下1F
TEL:03-3352-1111(新宿 伊勢丹代表)
営:10:30~20:00
休:なし
http://oimatu.co.jp
※オンラインストアでの取り寄せも可能