男気を見せるなら麺量より肉量だ!
神田末広町は「ラーメン・ジャングル」だ!
東京メトロ銀座線の「末広町」を降りると、見回しただけでラーメン屋さんがあちこちにあって、「ジャンク・ロード」というより「ラーメン・ジャングル」のようです。もし、行く店を決めていなかったら、どこに入ろうかかなり悩んだかもしれません。でも、僕らはキョロキョロしつつも、スマホのマップ片手に『肉汁麺ススム』までまっすぐ進みます。
到着すると、店の前には券売機がありました。ここでも迷うことはありません。食べるべきメニューを良太父から教えてもらっていたからです。それは「肉汁麺」と「白飯」です。
良太:この店は、「肉汁麺」のレベルが、“麺の量”ではなく、“肉量”なんだね。しかも肉量レベル1~3は、130g、200g、270gと増えていくけど、マックスは800gだって。どうする?
周:う、うん……どうしようかな。
僕はちょっと不安でした。一般的なラーメン屋さんの、一般的な量のラーメンなら、白飯や半チャーハンを食べるのは余裕です。しかし、ここの量は麺量ではなく肉量。
僕はつい日和ってしまい、「レベル1とライス」にしたんです。しかし今日の良太は男気をみせるつもりなのか、「マックスとライス」。
店内は、4人用テーブル席とカウンター席がありました。 “卓上チェック”をすると、肉汁麺を食べるためのトリセツが2種類あります。1つは、「ススム君おすすめの食べ方」、もう1つは「たまごの手引き」。
僕らはこの取説を教科書の暗記のようにしっかり頭に叩き込みました。そして、最初に登場したのはキーマン2つ「白飯と生卵」です。僕らは卵と黄身を分ける「セパレーター」という器具を使ってみたくて、すぐにやってみました。
セパレーターに卵を割って載せると、まるで砂時計のようにじわじわと白身と黄身が別れていきます。それをじっと見ているうちに、良太のマックスが登場しました!
周&良太:うわ、やばっ!(心の声)
これまで見たことがないビジュアルのラーメンです!!! 肉が、丼の縁をはるかに超えて富士山のよう。ヘルシーとか、野菜で色とりどりとか、健康志向とか、そういうものを一切無視したかのような肉一色、茶色一色。しかも麺はちょっとも見えません。
周:良太、大丈夫か。マジで覚悟して食べないと。
続いて僕の「レベル1」も登場。こちらは、丼内に肉やもやし、青ネギの具材がほぼ収まっていて、麺もちらりと見えます。僕は内心、レベル1にして良かったとホッとしました。しかし、この後、僕の方が「しくじっていた」ことが明らかになっていくのです。