シュウマイ潤の焼売探訪。「焼売」の“プロレス”的魅力を体感できる『野田焼売店』の魅力とは?

シューマイ潤さんのイチオシは、「蒸」と「揚げ」

広報も担当している店主の石毛徹也さん
広報も担当している店主の石毛徹也さん

 しかし、いくら焼売がプロレス的魅力に満ちた料理とはいえ、基本となる焼売そのものの味わいに力がなくては意味がありません。

 その点、『野田焼売店』では、中華料理店で30年以上経験を積んだ店主が、その技術をもとに、焼売専門店として新たな焼売の魅力を表現すべく、試行錯誤。結果、豚肉とたまねぎだけというシンプルな具材で、こね具合を絶妙なバランスにとどめ、肉の食感を残しながらも豚の旨みと甘みがダイレクトに感じられる、パワフルかつ絶妙なバランスの焼売を作り上げています。

一人前 二ヶ240円
一人前 二ヶ240円

 その味わいをもっともシンプルに感じられるのは、やはり王道的調理法の「蒸焼売」です。一方、焼焼売は香ばしさが追加され、水焼売はスープに浸されたビジュアルも個性的で、食感はワンタンと水餃子の中間的な印象です。

一人前 二ヶ300円
一人前 二ヶ300円

 そして「揚焼売」。あえて平たく整えられた形状で味わうと、この店の焼売の基本となる旨みと甘みが感じられつつも、食感はメンチカツなど揚げ物をさらに洗練させたような味わい。それも試行錯誤の末、生み出された基本の焼売の力があるからでしょう。

 ……とはいえ、これは私の個人的な感想でしかありません。実際に6種を食べ、9種のタレをつけて味わえば、各人のお気に入りの焼売の美味しさを発見できるはずです。

焼売を味わう筆者
焼売を味わう筆者

 この焼売というひとつの料理名でくくれない、味わいと楽しみの“多様性”こそ、焼売のプロレス的魅力です。ぜひ『野田焼売店』でその価値を体験してみてください。

●SHOP INFO

店名:野田焼売店 駒込本店

住:東京都文京区駒込6-24-2 鈴木ビル1F
TEL:03-5395-9940
営:11:30~24:00(LO23:00)
休:不定休
http://nodashumaiten.com

●著者プロフィール

シュウマイ潤

本名・種藤潤。教育大学卒業後、フリーランスのライター、エディター、ウェブプランナーとして活動を開始し、食を中心とした幅広いジャンルで取材執筆を行う。焼売に関しては2015年頃から着目し、インスタグラム「焼売生活」で全国各地の焼売を実食し発信。2018年4月現在で200種類を制覇した。2018年5月にTBS「マツコの知らない世界」でシュウマイの知らない世界を紹介している。