味噌の「焼き加減」が美味しさの秘密
ご主人の大島剛史さんは、札幌の『すみれ』での12年間の修業を経て、「北海道以外の人にも本場の札幌ラーメンを食べてもらいたい」と、東京・船堀に店を構えられました。なんで船堀なのかとご本人に聞くと、「札幌育ちなので、東京のド真ん中はごちゃごちゃしてて苦手で、どことなく札幌と似ている広い道路のある街がいい」と、この場所に決めたそうです。面白い方ですね。
また、味噌ラーメンに関してのこだわりを聞くと、
「基本は『すみれ』の味噌ラーメンなのですが、自分なりに少し変えていて、自由にやらせてもらっています。目指しているのは、誰でも食べやすく、トゲがないまろやかな味」なのだそうです。
そのポイントをさらに伺うと、なんと味噌の焼き加減。大島さん曰く、
「味噌を中華鍋で焼いているんですが、味噌の練り方や、焼きの加減で、しょっぱさ、甘さが強く出ると飽きる味になるので、そうならないように、そこはミクロ単位の世界かもしれません。それは経験と勘だけが頼りで、ここだというピンポイントがあるです」と教えてくれました。その大島さんも、最初からできたわけではなく、長い修業の中で見つけたと言っていました。職人の世界ですね。
私は、毎回、こちらのスープを飲み干してしまいますが、ご主人のこだわりを聞くと、ますます1滴も残すことはできません。
あ、もう直ぐ着きますよ。大島さんの言うようにここは広い道路に面しているので、タクシーを停めやすくて便利です。大島さんがビシッと焼いた味噌のスープをよく味わって、丼を空にしてしまいたくなる気分をぜひ感じてみてください。
（構成◎土原亜子）
●SHOP INFO
店名：大島
住：東京都江戸川区船堀6-7-13
TEL：03-3680-2601
営：11:00～15:00 17:00～20:30（LO）
日・祝:11:00～16:00 17:00～20:00
※いずれもスープがなくなり次第終了
休：月（ただし祝の場合は翌日休）
●プロフィール
荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300％だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。
