埼玉に点在する『山田うどん食堂』の名物は“うどん”じゃない!? 年間248万食が売れる謎メニュー「パンチ」を食べてきた!

気になるパンチは果たしてどんな味?

かかしのマークでおなじみ『山田うどん食堂』
かかしのマークでおなじみ『山田うどん食堂』

 というわけで某日、『山田うどん食堂』にやってきました。休日のお昼時とあって、子連れの家族、ご夫婦などのファミリー層が多い印象です。さっそくメニューを広げてみると、うどんだけでなく、蕎麦、ラーメン、丼もの、そして定食メニューなど、思った以上にメニューが豊富です。

 そして、その中に噂の「パンチ定食」(670円)、「赤パンチ定食」(720円)を発見! しかも、パンチも赤パンチも知らない筆者のような“山田うどん初心者”にうってつけの、“赤白どっちも”と銘打った「パンチ食べくらべ定食」(700円)もありました。

定番の白である「パンチ定食」は670円、旨辛の「赤パンチ定食」は720円。どっちも味わえる「パンチ食べくらべ定食」は700円
定番の白である「パンチ定食」は670円、旨辛の「赤パンチ定食」は720円。どっちも味わえる「パンチ食べくらべ定食」は700円

 つまり、定番のパンチは“白”で、“赤”は派生メニューだということがこの時にわかりました。というわけで一も二もなく「パンチ食べくらべ定食」を注文することに。しかし何度も言いますが筆者は山田うどん初訪店。看板メニューであるうどんもぜひ食べてみたい。

 そこでメニューをよ~く観察すると、定食にプラス250円で味噌汁の代わりに「たぬきうどん」(冷・温)か「ざる(うどん・そば)」が付けられると判明。そこで、「パンチ食べ比べ定食」に“冷やしたぬきうどん”をプラスすることにしました。総計950円ですね。

 待つことしばし。まずは「パンチ食べくらべ定食」が登場しました! 赤白のパンチが小鉢サイズでお盆にのっています。なんだか、居酒屋の酒肴のようにも感じますね。

「パンチ食べ比べ定食」は、白パンチ、赤パンチ、ごはんと小鉢付き。なお、セットにすると、味噌汁の代わりにうどんが登場します
「パンチ食べ比べ定食」は、白パンチ、赤パンチ、ごはんと小鉢付き。なお、セットにすると、味噌汁の代わりにうどんが登場します

 まずは白パンチ。具材は豚モツ、コンニャク、メンマ。そしてネギが振りかけられています。食べてみると、じっくり煮込まれた豚モツはクタクタ&トロッと柔らか。臭みは皆無で、噛めば噛むほど濃いめのダシがじわっと染み出てきます。これは確かに美味しい!

 ベースは醤油と白味噌でしょうか。旨味濃厚でほんのり甘く、ほんのりピリ辛。ご飯にのせてみると、濃厚な味わいがお米に浸透し、飲むように食べられます。なるほど、これが名物になるのもわかりますね。

白パンチは、山田うどんの大ヒットメニュー
白パンチは、山田うどんの大ヒットメニュー

 続いて赤パンチ。これがまた、知人が言っていたとおりのクセになりそうな味わい。想像を遥かに超える旨さです! 麻辣醤と数種の唐辛子をブレンドして煮込んだもつ煮込みだそうですが、白パンチに比べてつゆは少ないものの、辛味と旨味がギュッと凝縮されている感じ。そして見た目通り、ピリリと辛いです。

赤パンチは、辛味醤がモツや具材に絡みついています
赤パンチは、辛味醤がモツや具材に絡みついています

 この辛味醤が、ごはんにめちゃくちゃ合います。白パンチが和み味だとすると、赤パンチは刺激たっぷりの唐辛子味ですが、辛さに負けず劣らず旨味があって、それが最高なのです。白パンチ、赤パンチを交互に食べつつ、ごはんを頬張る時間は、まさに至福。

ごはんに朱と白を両方のせて食べても最高です
ごはんに朱と白を両方のせて食べても最高です

 両パンチをごはんに載せ、“紅白パンチ丼”にして夢中でかっこみながら、ふと我に返って焦りました。そう、セットで頼んだうどんが横にあったのを忘れていたのです…。

Aセットでついてきた冷やしたぬきうどん
Aセットでついてきた冷やしたぬきうどん

 いざうどんをすすってみて、「これは確かに普通だ!」と思ってしまいました。良い意味で“普通”なんです。最近の東京で食べるうどんは、コシが強い“さぬきうどん”的なうどんが主流で、すぐにお腹いっぱいになりますが、山田のうどんは、昭和の時代に食べていたようなやわらかいうどん。食感に特徴がなく、おつゆもスタンダード。強い印象がないのですが、むしろそれがイイ。いわば“疲れないうどん”なのです。だからついでに食べられるわけですね。

白パンチ、赤パンチはテイクアウトもできます(食楽web)
白パンチ、赤パンチはテイクアウトもできます(食楽web)

 というわけで、名物「パンチ定食」と、さらに新名物の「赤パンチ」を堪能し、すっかり満足した筆者。パンチを専門にした『山田パンチ食堂』があってもいいのに、などと勝手ながら思った次第です。次回、再訪時には改めて赤白パンチを増量して食べたいと思います。

(撮影・文◎土原亜子)