天丼・カツ丼・親子丼! 東京で一度は味わう価値のある珠玉の「丼ぶりメシ」3選

とろとろ卵がたまらん! 三島由紀夫が愛した料亭『末げん』(新橋)のひき肉の親子丼

新橋『末げん』の「かま定食」はひき肉の親子丼
新橋『末げん』の「かま定食」はひき肉の親子丼

 東京・新橋駅から徒歩2分。明治42(1909)年創業の老舗料亭『末げん』をご存知でしょうか? 元総理大臣の原敬、歌舞伎役者の六代目菊五郎、作家・三島由紀夫ら数々の著名人に愛されてきた名店中の名店です。

 料亭というだけあって、夜はちょっと入りづらい雰囲気ですが、実はイチオシはリーズナブルに楽しめるランチタイム。メニューは「かま定食」(1300円)、「から揚げ定食」(1700円)、「たつた揚げ定食」(1800円)の3つ。中でも一番人気がこの「かま定食」。いわゆる卵でとじた親子丼ですが、鶏肉ではなく、ひき肉を使っているのが特徴。

新橋駅烏森口から徒歩2分。烏森神社のすぐそばにあります
新橋駅烏森口から徒歩2分。烏森神社のすぐそばにあります

『末げん』には名物の「ソップ炊き」という鳥鍋があり、地養鳥、軍鶏、合鴨の3種類の鶏肉を合わせて2度挽いたひき肉を使って作る“つみれ”が名物ですが、この親子丼にはそのつみれと同じ素材が使われています。まさにここでしか味わえない唯一無二の逸品なのです。

 頬張ると、いわゆる「親子丼」とはまるで違う食感。たっぷりのひき肉からジュワッとにじみ出る鶏の濃厚な旨味が口中に広がり、ひき肉、卵、ごはんが三位一体となって溶けてなくなっていくようなまろやかさ。

2種の鶏と合鴨を合わせたたっぷりのひき肉を2Lの卵2個でとじています。鶏ガラスープとお新香、小皿付き
2種の鶏と合鴨を合わせたたっぷりのひき肉を2Lの卵2個でとじています。鶏ガラスープとお新香、小皿付き

 味付けはほんのり甘めでしっかりとした食べごたえ。余計なものを加えず、シンプルに酒とみりんと醤油で味を整えている程度です。なのに得も言われぬ奥深い味わいが口中に広がるのは、厳選された美味しい鶏肉と合鴨の賜物。散らされた三つ葉のほのかな苦味がちょうどいいアクセントとなって、タレの甘みと鶏のコクを引き立てています。

 老舗、有名店となっても常に初心を忘れない渾身の親子丼「かま定食」、まさに東京で一度は味わう価値のある逸品です。

●SHOP INFO

店名:末げん

住:東京都港区新橋2-15-7 S-PLAZA弥生 1F
営:11:30~13:30、17:00~22:00(日・祝休/土曜不定休あり)