『餃子の王将』と『大阪王将』の「天津飯」はどっちがウマい? 何がどう違うのか食べ比べて旨さの秘密に迫る!

とろっとろの餡が絶品! 『餃子の王将』の天津飯

JR中央線ほか荻窪駅西口にある『餃子の王将』
JR中央線ほか荻窪駅西口にある『餃子の王将』

 到着したのは東京・荻窪にある『餃子の王将』。着席してメニューを開くと、通常の「天津飯」(510円)に加え、「極王天津飯」(693円)というメニューもありました。“極王(ごくおう)”とは、餃子の王将が厳選したこだわりの食材を使用し、調理工程までこだわったプレミアムな料理シリーズです。

 通常の「天津飯」でも、タレを「甘酢、塩ダレ、京風ダレ」の3つから選択できたり、ナチュラルチーズをトッピング(189円)するオススメの食べ方が書かれていたりと、細かな配慮が伝わってきます。天津飯の人気ぶりと店の力の入れ具合がわかりますね。ちなみにタレを選べるのは東日本の店舗だけ。西日本は京風ダレ一択のようです。

餃子の王将のメニュー
餃子の王将のメニュー

 せっかくなので、普通の「天津飯」とプレミアムな「極王天津飯」の両方を頼み、さらにトッピングのナチュラルチーズを別皿でもらうことに。タレは発祥の味である“京風ダレ”をチョイスし、待つことしばし。最初に登場したのは、通常の「天津飯」(561円)です。

『餃子の王将』の「天津飯」(561円)
『餃子の王将』の「天津飯」(561円)

 お皿にこんもり盛られた天津飯。淡黄色の玉子は半熟で、とろとろオムレツのようなビジュアルです。大ぶりのカニ身の赤色とネギの緑色との対比が絶妙な見目麗しさで、それをコーティングする京風ダレ(餡)がツヤツヤと光り輝いています。まず、その京風ダレをひと口。とろみがしっかり強めで、天つゆを彷彿させるさっぱりしたダシの風味が広がります。もう餡だけでご飯が食べられそうな美味しさです。

 そして玉子とカニ身、ご飯と餡を一緒にレンゲですくって食べてみると、口中が一気に「ウマい」でいっぱいになります。粒立ち感あるお米がとろとろ玉子&餡と一体となって、ものすごく優しくてやわらかな味わいです。玉子のまろやかな味、薄味のダシの塩梅も完璧。こんなに美味しかったっけ? と思わず感激してしまいました。

半熟オムレツのような玉子の火の入れ方が絶妙です!
半熟オムレツのような玉子の火の入れ方が絶妙です!

 正直、たった561円の天津飯で、ここまで奥深い食感&味わいはスゴいのひと言。これまであまり食べなかったことが悔やまれます。ちなみに、トッピングのチーズを合わせると、さらにコクとまろみがプラスされて、めちゃくちゃ美味しい。いやー、最高です。

 感慨にふけっていたら、続けて「極王天津飯」(693円)が運ばれてきました。メニュー表の解説によれば、特製醤油ダレにこだわりタマゴを使い、さらにダブル玉子仕立てで作ったと書いてあります。

『餃子の王将』の「極王天津飯」(693円)
『餃子の王将』の「極王天津飯」(693円)

 画像をご覧いただければわかるように、「極王天津飯」は中央の天津飯の玉子のオレンジ色が濃くてタレの量も多く、明らかに普通の天津飯とは異なるビジュアルです。また、タレにも玉子が浮いており、具材もカニ身に加えてエビも入ってものすごく贅沢な雰囲気です。

 いざ食べてみると、玉子が多層的で存在感たっぷり。食べごたえがあって実に旨し。やっぱり通常の天津飯とはひと味もふた味も違います。しかし、玉子の美味しさとは別に気になったのは、特製醤油ダレのとろみがゆるいこと。食べ進むと、そのゆるさ故にタレがシャバシャバになり、玉子やごはん粒がスープの海に溶け込んで雑炊のようになっていくのです。

タレが多くとろみが弱いので、時間が経つうちにサラサラのスープ状になって雑炊のように
タレが多くとろみが弱いので、時間が経つうちにサラサラのスープ状になって雑炊のように

 これは好みによるとは思いますが、筆者は普通の「天津飯」のほうがダンゼン好きです。例えば、「欧風カレーが食べたい」と思っている時にスープカレーが出てきたらどうでしょう? 美味しいけどなんか違うんだよなぁ、と思いませんか? それと似ていて、「極王天津飯」の場合、“スープ天津飯”に近いのです(個体差もあるとは思いますが…)。しかも特製醤油ダレの味が割と濃いめで量も多いので、途中でちょっと食べ飽きてしまいました。

 そんなわけで、『餃子の王将』で得られた知見としては、普通の「天津飯」こそが至高、そこにチーズをトッピングしたらさらなる幸せが訪れる、ということでした。そして翌日、向かったのはライバル店の『大阪王将』です。