からあげのプロが選ぶ! 2022年上半期に食べて本当に美味しかった絶品「からあげ」BEST5

長野出身の店主が揚げる「山賊焼き」|『からあげ家いっちゃん』(松陰神社前)

真ん中に「山賊焼・200g」、手前左「甘辛手羽」、手前右「塩ナンコツ」、奥左「ニンニクからあげ」、奥右「しょうがからあげ」
真ん中に「山賊焼・200g」、手前左「甘辛手羽」、手前右「塩ナンコツ」、奥左「ニンニクからあげ」、奥右「しょうがからあげ」

 長野県の当地からあげといえば「山賊焼(さんぞくやき)」。松本市や塩尻市を中心とする地域で古くから親しまれている郷土料理のひとつで、鶏の一枚肉に衣を付け、豪快に揚げているのが特徴です。名前の由来は、一説によれば鶏を揚げる料理を、物を“取り上げる(=鶏揚げる)”山賊になぞらえ、そして少量の油で焼くようにして揚げたことから“揚げ”ではなく“焼”になったと言われています。

最寄り駅は東急世田谷線・若林駅。徒歩1分ほどで到着できます
最寄り駅は東急世田谷線・若林駅。徒歩1分ほどで到着できます

 東京・世田谷、松陰神社近くの『からあげ家いっちゃん』はテイクアウト専門のからあげ店。長野県出身の店主・市川直美さんが揚げる本場の山賊焼が堪能できるお店です。こちらで味わいたいのが「山賊焼」(200g)。そして「ニンニクからあげ」「しょうがからあげ」(各100g)、「甘辛手羽」もマストオーダー。

 まずは「山賊焼」。台湾鶏排のような大きなサイズです。袋入りで提供されるので、手で持ってガブリといくのがいいでしょう。肉厚で食べごたえはバツグン。醤油、酒、ニンニク、ショウガで味付けしているそうで、味もしっかり、旨みもバッチリ。何より肉の柔らかさにメロメロ。舌の上でとろけそう…というより、強烈な肉の旨みをたっぷり残しつつ、とろけながら舌に吸い込まれていくようです。見た目はワイルドですが、やさしく上品な味わいで、山賊というより“山の女神”とでも言いたくなるようなイメージです。

「山賊焼」。箸で持ち上げるとその重量感がわかります
「山賊焼」。箸で持ち上げるとその重量感がわかります

「ニンニクからあげ」と「しょうがからあげ」は味付けだけでなく、食感がまるで違います。ニンニクからあげは数種類の粉をブレンドしているそうで、衣がややふんわり食感。しかも味付けに白ワインを使っているのが特徴。白ワインに含まれる糖分は保水効果もあるので、しっとりとやわらかい食感に仕上がっています。一方の「しょうが」は片栗粉のみで、カリッとした歯ざわりです。ニンニク不使用で、ショウガの香りが非常にさわやかな逸品です。

 また、「甘辛手羽」は、手羽元の肉を開いて揚げて、甘辛いタレをからめたもの。このタレが抜群の美味しさ! 濃厚で食欲をそそる味わいです。タレをからめているのに衣のカリッとした食感もしっかり感じられます。ご飯が欲しくなる味ですが、ビールのアテとしても超優秀です。

●SHOP INFO

店名:からあげ家いっちゃん

住:東京都世田谷区若林4-3-9 101