まさに伝説級のウマさ! 中国のスープ・酸辣湯に初めて麺を入れた老舗『榮林』で「元祖スーラータンメン」を食べてきた

『赤坂 榮林』が『榮林 神楽坂』になっていた!

明るくて気持ちの良い店内
明るくて気持ちの良い店内

『中国料理 赤坂 榮林』は、1956(昭和31)年に、東京・赤坂に創業した中国料理レストランなのですが、今年(2022年)の6月10日に神楽坂に移転。店はビルの中に入っています。足を踏み入れると、天井が高く、ゆったりと席が配置された、まさに高級中国料理店らしい趣の空間です。

 ランチメニューは種類豊富ですが、お目当ての「元祖スーラータンメン(酸辣湯麺)」は1430円。一般的なラーメンと比べるとややお高めですが、高級中国料理店でしかも元祖とくれば、致し方なし。さらにちょっと気になったのは餃子。「赤坂で60余年愛され続けた昔ながらの手作り餃子」(4個1100円)と説明書きがあり、これも食べてみようと、その2品を注文しました。

店先にあるランチメニュー
店先にあるランチメニュー

 注文時にお店の人から「餃子は10分ほどかかります」とのことで、先に登場したのは、目的の「元祖スーラータンメン」。一見、小ぶりに見える白い器にたっぷり注がれたスープはふわふわの溶き卵で覆われ、そこにひとすじのラー油がきらめくように流されています。まるで器全体が黄金色に輝いているよう。オーラがスゴい!

ものすごい気品とオーラを感じる元祖スーラータンメン
ものすごい気品とオーラを感じる元祖スーラータンメン

 スープを一口。期待通りの酸っぱさと出汁の深い旨味があり、やわらかな口当たり。そしてすかさずピリッとした辛さが来ます。麺を引っぱり出せば、とろりとしたスープが麺に絡み、すするたびに食欲をそそる酸っぱい香りが立ちのぼります。

体全体に染み渡るような滋味深さ。とろみがあるのでいつまでもアツアツ
体全体に染み渡るような滋味深さ。とろみがあるのでいつまでもアツアツ

 食材のしいたけ、ピーマン、鶏肉を見つけるのも楽しく、スープを飲むたびに五臓六腑に染み渡るような、ものすごく滋味深い味わいなんです。

 こうしてスーラータンメンを夢中になって食べているうちに、餃子が運ばれてきました。一般的な餃子の2倍くらいの大きさはあるでしょうか。厚めの皮で、底面はこんがりと絶妙な焼き具合。ビジュアルからして、これ絶対ウマいヤツだと確信できます。

スーラータンメンと並ぶ『榮林』名物の餃子
スーラータンメンと並ぶ『榮林』名物の餃子

 ひと口かじってみると、皮はモッチリしていて、中の餡は、野菜より肉が多め。ぎゅっと詰まった肉汁が口の中に広がって、たまりません。最近の餃子は野菜多めのヘルシータイプが多いですが、こちらの餃子は、まさに“肉餃子”といった感じ。なんとなくシュウマイの餡のようにも思える味わいで、スーラータンメンのスープとも相性抜群です。

プリプリの皮と餡の肉々しさが最高!
プリプリの皮と餡の肉々しさが最高!

 スーラータンメンのスープはもちろん一滴残らず飲み干し、餃子もガッツリ4個食べました。その日は猛烈に暑い日でしたが、店の外に出ると、このスープが体に染み渡ったせいか実に清々しい気分。『榮林』のカップ麺も美味しいけど、やっぱり、本物の味は想像のはるか上を行く美味しさでした。未体験の人はぜひ神楽坂に食べに行ってみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

榮林 神楽坂店外観

店名:榮林 神楽坂店

住:東京都新宿区袋町3 神楽坂センタービル 2階 ANNEX
TEL:03-5579-8862
営:11:30~14:00、17:30~22:00
休:日曜