世界の塩が約360種類そろう「塩屋」の“ソルトソムリエ”に、正しい塩の選び方を教わった!

まずは塩の形状を意識して確認しよう

 塩と食材の組み合わせを間違えると、使う塩の量が増えてしまいます。いくら塩をかけても、思ったような味にまとまらない……そんな時は、たいてい塩選びを間違えているのです。

 たとえば、お肉などの食材には、味が強い「岩塩」がよく合います。世界の塩の約6割は岩塩で、日本のようにわざわざ海水を蒸発させて塩を作るというのは、世界的に見れば、かなり手間暇かけていることになるのだとか。

これはステーキに合う塩として紹介されていた「アンデスの天然岩塩 茜塩」(864円/200g)。少し赤っぽいのは鉄分を含んでいるから。
これはステーキに合う塩として紹介されていた「アンデスの天然岩塩 茜塩」(864円/200g)。少し赤っぽいのは鉄分を含んでいるから。

 塩の結晶は立方体のものがほとんどですが、なかにはフレーク状のものやピラミッド型のものもあります。サラダにはフレーク状のものを使って少し食感を残すなど、食感を意識するのもおすすめだそうです。

秋茄子の天ぷらに合うと紹介されていたのが、バリ島の塩「ラウトバリ ピラミディオン」(453円/15g)。ピラミッド型の形状が目を引く。
秋茄子の天ぷらに合うと紹介されていたのが、バリ島の塩「ラウトバリ ピラミディオン」(453円/15g)。ピラミッド型の形状が目を引く。

食材と塩の産地を合わせるだけでOK

 一番簡単な塩の選び方は、「食材と塩の産地を合わせる」方法です。塩の味わいの違いはその土地の食文化にも影響を受けているので、地のものと組み合わせるとスムーズに馴染みます。

 たとえば、トリュフの香りが楽しめる「トリュフ塩」にはカルパッチョやオムレツといった洋食が合いますし、磯っぽさを感じる「瀬戸の粗藻塩」はさんまの塩焼きなど海の魚との相性が抜群です。

「トリュフ塩」(2,100円/50g)は同店の世界の塩のなかでも人気1位。
「トリュフ塩」(2,100円/50g)は同店の世界の塩のなかでも人気1位。
「瀬戸の粗藻塩」(545円/100g)は、魚介類だけでなく、海藻や青菜との相性もいい。
「瀬戸の粗藻塩」(545円/100g)は、魚介類だけでなく、海藻や青菜との相性もいい。

 さらに具体的な食材と塩の組み合わせは下記のとおりです。

牛肉やマグロなどの赤身
⇒口のなかに塩辛さが長く残る大粒の塩

脂の多い豚肉やてんぷら、サーモンなど
⇒酸味があってすっと消える粒の細かい塩

イカの刺身などの生魚
⇒旨みと苦みが感じられる大粒の塩

トマトなどの野菜
⇒旨みと苦みのあとに酸味スッと溶ける小粒の塩

死ぬまでに行きたい絶景スポットして有名な「ウユニ塩湖の塩」(505円/360g)は、脂身の多いポークソテーに合う。
死ぬまでに行きたい絶景スポットして有名な「ウユニ塩湖の塩」(505円/360g)は、脂身の多いポークソテーに合う。
赤ワイン風味の塩「セル・デ・ヴァン・メルロー」(1,404円/70g)は、メルローワインに漬け込んだ塩にハーブと香辛料をブレンド。牛肉のソテーやコンソメとの相性がいい。
赤ワイン風味の塩「セル・デ・ヴァン・メルロー」(1,404円/70g)は、メルローワインに漬け込んだ塩にハーブと香辛料をブレンド。牛肉のソテーやコンソメとの相性がいい。

 ここでいう塩の味わいは、ナトリウムがしょっぱ味、カルシウムが甘味、マグネシウムが苦味、カリウムが酸味にあたります。塩の成分を見るだけでも、いろいろなことがわかるんですね。