パエリアおこげの知られざる世界。本場バレンシアで初優勝日本人シェフの“米魂”を見た!

パエリアおこげの知られざる世界。本場バレンシアで初優勝の日本人シェフ“米魂”を見た!
食楽web

東京・杉並区高円寺にある小さなスペイン料理店のパエリア職人が、今年9月「国際パエリアコンクール」で、日本人で初めて国際部門優勝という快挙を成し遂げた。パエリアの本場バレンシアが絶賛したその「パエリア バレンシアーナ」の秘密とは?

 スペインの郷土料理・パエリアといえば、丸く平たい鍋に、黄色のサフランライスと魚貝類が載った、鮮やかな料理というイメージが強い。スペインの各地域でもこの“魚介のパエリア”は人気だが、実はパエリアの本場・バレンシア地方では、そうではない。この地域で「パエリア」といえば、鶏肉やウサギ肉、カタツムリ、インゲン豆といった具材で作る「パエリア バレンシアーナ」を指す。見た目、肉主体の地味なパエリアだが、1000年以上も前に誕生し、そのレシピは少しも変わらず、愛され続けている。これこそが「元祖パエリア」である。

 今年、バレンシア州で開催された「第57回パエリア国際コンクール」で、課題の「パエリア バレンシアーナ」作りを競い、国際部門の優秀を果たしたのは、なんと東京のスペイン料理店『anocado restaurante+』(アノカド・リストランテ+)である。その店は丸ノ内線「新高円寺駅」から歩いて10分ほど、杉並区の閑静な住宅街にある。

五日市街道沿いの角にあり、うっかり通り過ぎてしまいそうだが、店先に置かれた大きなパエリア鍋が目印。オープンは2012年6月。
五日市街道沿いの角にあり、うっかり通り過ぎてしまいそうだが、店先に置かれた大きなパエリア鍋が目印。オープンは2012年6月。