
東京・世田谷の住宅街を走る小さな路線・世田谷線。この沿線にある宮の坂駅周辺もまた住宅街そのもので、駅前にはコンビニと3~4軒の飲食店があるのみですが、このうちの1軒の居酒屋『楽縁』を午前中だけ間借りしたラーメン店があります。
『OLD RAMEN』というお店で、営業時間は火曜~金曜の午前8~10時までのたった2時間。ラストオーダーは午前9時半と、なんだか昼夜逆さまになったかのようなラーメン店ですが、メニューは「オールドラーメン」(1000円・税込)のみで、その味に対して店主によれば「こだわりはいっさいない」とのこと。あらゆる面で前例がなく、どこか挑戦的にも思える営業形態ですが、今回はこちらのお店を訪ね、その味をいただくことにしました。
朝9時半のラストオーダーまでに入店しなければ!

とある平日。朝日がさんさんと差すなか、「朝9時半のラストオーダーに間に合わなかったらどうしよう」と少々慌てて『OLD RAMEN』へ。宮の坂駅周辺は飲食店が数少ないこともあり、お店の場所はすぐわかりました。
お店に入ると、30代とおぼしき若き店主が一人でお店をキリモリされていました。さっそく「オールドラーメン」をオーダー。店主が手際よく丁寧に麺を茹でる様子が目に入ります。筆者はてっきり、ラーメン好きのマニアが、本格的に自分の店を出す前に、この居酒屋を間借りしているのだろうと思っていましたが、その手つきを見るや、どうも素人のようには見えません。
そんなことを想像しながら待つこと数分、筆者の前に「オールドラーメン」が着丼。醤油ベースのガラスープの香りがいかにも旨そう。さっそくいただきます!