名門ジャズクラブ『さくらんぼ』(調布)で常連だけが知る「絶品ハンバーグカレードリア」を食べてきた

ライブの日に常連が必ず頼む、絶品の「カレー料理」とは?

日中でも暖色系のライトで演出された落ち着いた店内
日中でも暖色系のライトで演出された落ち着いた店内

 40数年前のオープン以来、ほとんど変わっていないという店内は、まるで古き良き昭和の時代に迷い込んだかのよう。純喫茶好きの筆者はこの時点で胸が高鳴って仕方がありませんでした。店内のいたるところに楽器やレコードが飾ってあり、BGMはもちろんジャズ。常連さんと思しき人々が静かに自分の時間を楽しんでおり、まさに大人の隠れ家です。

 この雰囲気で食べるカレーは、きっと美味しいはず。早速注文しようとしたところ、岡田さんから思わぬストップが入りました。

「カレーは確かに人気だけれど、おすすめはハンバーグカレードリアなんだよね」。岡田さん曰く、常連さんにとっては、ハンバーグカレードリアを食べながらジャズライブを楽しむのが定番スタイルで、ライブの日はみんながハンバーグカレードリアを注文するのだそう。それを聞いて、注文しない選択肢はありません!

奥様の愛情から生まれた「ハンバーグカレードリア」

1000円(税込)
1000円(税込)

 早速運ばれてきた「ハンバーグカレードリア」は、名物のカレーとハンバーグが見えないほど、チーズがたっぷりのっていました。スパイシーなカレーの香りと焼けたチーズの香ばしさに、食欲が掻き立てられます。はやる気持ちを抑えきれずスプーンですくうと、チーズの下からとろりとしたカレールーが出てきました。

 フーフー冷ます時間さえ待てずにそのまま口に頬張ると、熱さに負けない旨さが口いっぱいに広がります。これは……本当に美味しい!!

 どちらかというと、しっかりスパイスが効いたカレーなのですが、それ以上に玉ねぎの甘みとコクが強く、とってもまろやかな口当たり。丁寧に煮込んだ“とろっとろのルー”とたっぷりのチーズが、ご飯にしっかり絡みます。舌が焼けるほどの熱さなのに、口に運ぶスプーンが止まりません。

 さらに真ん中にドーンと乗っている大きなハンバーグが、驚くほど柔らかくてジューシー! 味の濃いカレーやチーズと一緒に食べても負けないほど、お肉の旨味が半端ありません。ハンバーグだけで出しても、新たな名物になりそうなほど絶品です。

 ちなみに、ハンバーグ作りと最後の仕上げは岡田さん、カレー作りは奥様が担当。名物のカレーには半日かけて炒めた玉ねぎや隠し味のコーヒーなどが使われており、最低でも3日以上かけて納得のいく味に仕上げているそうです。

 しかし、一番の隠し味は他にありました。「もともとは妻が、舌が肥えている私に美味しいと言って欲しくて頑張って研究したみたいです。それをバイトの子たちに食べさせたら大好評で。それが名物カレーの始まりです」(岡田さん)

 なんだろう……さっきよりもカレーが美味しく、幸せな気持ちに。夫婦の愛から生まれたカレーがたくさんの人を幸せにしているなんて素敵ですね。