「オートボイル式ラーメン」って何? 東京・八王子の老舗ラーメン店を食べ歩いてきた

八王子で最古のラーメン店『竹の家』へ

「オートボイル式」とは何か。気になります
「オートボイル式」とは何か。気になります

 八王子駅北口を降りて商店街を歩いていると、早速、気になる店を見つけました。それが、この『ラーメン専門店 竹の家』です。店の佇まいからして老舗感があり、暖簾が巨大で堂々としています。しかもお客さんがくぐる部分だけカットしている心遣い。オーラにあふれています。

 一番気になったのは、看板に「オートボイル式」と書かれていたことです。何か気になる言葉です。とんでもない新発明なのでしょうか。入店してみると、そのオートボイル式が何か、すぐに判明しました。

入り口すぐにあるオートボイルの機械。ハイテクのようでローテク感たっぷり。見ているだけで楽しい
入り口すぐにあるオートボイルの機械。ハイテクのようでローテク感たっぷり。見ているだけで楽しい

 そう、写真の通り、麺茹でを機械で行っているのです。ご主人が生麺をザルに入れると、巨大な釜の湯に麺が自動的に浸かっていき、ゆっくり回転。徐々に上昇して茹で上がってくるのです。面白い! こんなマシンを見るのは初めてです。

 さっそくラーメン(580円)を注文すると、赤くて小さなプラスチックの札を渡されました。昭和感がひしひしと伝わってきて、なかなか面白いお店です。

ご主人が一人でラーメンを作っています
ご主人が一人でラーメンを作っています

 スマホで調べてみると、『竹の家』は昭和29年創業。つまり今年で67年目で、なんと八王子市で最も古いラーメン専門店なんだそう。何も知らないのに、すごい老舗に入ったようだ、と感激します。

『竹の家』の「ラーメン」580円
『竹の家』の「ラーメン」580円

 さて、登場したラーメンは、ご覧のように濃い醤油色。表面はラードが浮いており、ネギ、チャーシュー、メンマ、海苔がのっていて、昔ながらの醤油ラーメンといったビジュアル。

 煮干しの香りが漂い、スープをすすると、出汁の旨みがしっかり感じられます。そして麺は、中太の縮れ麺。もっちりしていていい塩梅。オートボイルの凄さを噛みしめます。

つるんとした食感の中太麺
つるんとした食感の中太麺

 スルスルと食べられて、後味もあっさり。おやつのように食べられるラーメンです。店を出て「さすが八王子ラーメンの老舗の味」と感動していたら、同行していた友人が「美味しかったけど、きざみ玉ネギがなかったねえ」とぽつり。

 うっかりしていました。確かに冒頭で書いた八王子ラーメンの特徴の一つ「きざみ玉ねぎ」が見当たりませんでした。というわけで、もう1軒、カップラーメンにもなっていた『みんみんラーメン』に行こうと思ったのですが、運悪くその日は定休日。そこで、また引き続き探すことに。