銀座のママが推薦! 美味しすぎる「カルボナーラ」を銀座『ピウ』で食べてきた

衝撃の美味しさだった冷製カルボナーラ

この日のランチコース「B」の内容
この日のランチコース「B」の内容

 ランチはおまかせのコースのみで、基本の内容は「アミューズ、前菜、パスタ、メインディッシュ、デザート」。ただし料理の内容はすべて異なり、「A」3500円と「B」5000円、「スペシャリテ」6800円があります。

 今回は、パスタが2品付く「B」をお願いすることに。もちろん、予約時に「冷製カルボナーラ」を食べたい旨を忘れずに伝えておきました。店内はこぢんまりとした8席のみの空間で、まるで個室のような落ち着いた雰囲気。席につくと、まずはアミューズからスタート。

アミューズの「いろいろな食材を包んだクレスペッレ」。クリーム状のものは、北イタリアのストラッキーノというチーズ
アミューズの「いろいろな食材を包んだクレスペッレ」。クリーム状のものは、北イタリアのストラッキーノというチーズ

 ごまを練り込んだクレープに、生ハム、きのこペースト、北イタリアのチーズ、ハーブを散らしてあり、これをくるりと手で巻いて食べます。見た目の美しさもさることながら、食べた瞬間にハーブが香り、チーズと生ハムの旨み、ほのかに残るごまの香りとコクが追いかけてきます。

 あまりの美味しさにカーテンがパッと開いたような気分に。初っ端から最高です。そして次に前菜が運ばれてきました。

前菜の「サヨリと菜の花、金柑のマリナート」
前菜の「サヨリと菜の花、金柑のマリナート」

 旬のサヨリと菜の花、金柑、フレッシュトマトを組み合わせた冷菜で、オリーブやケッパー、カラスミなどがあしらわれており、食材の香りと苦味、酸味、甘味、塩味などが、フルに生かされている一皿です。この2品だけで、早くもこの店の“香り”の活かし方の妙に酔ってきました。

 そしていよいよお目当ての「冷カル」が登場です。

「冷製カルボナーラ」
「冷製カルボナーラ」

 ご覧の通り、なんとも美しいカルボナーラです。皿もしっかりと冷やしてあり、半熟卵の割れ方まで完璧。まずはひと口。ひんやりしたクリームソースにフェデリーニ(細い生パスタ)を絡めて食べると、ほんのりビネガーの酸味、トリュフのコク、生ハムの優しい塩味、卵黄のまろやかさが口いっぱいに広がります。

 普通のカルボナーラを単に冷やしたものとは全く別物。冷やされているぶん、味の輪郭がくっきりしています。非常に爽やか。そして銀座のママが言う通り、美味しい!

 感動冷めやらぬまま、2番目のパスタが運ばれてきます。「冷製カルボナーラと同様、これもシェフのスペリャリテで、アニョロッティーニです」とお店の方が教えてくれました。

「3色のアニョロッティーニ」。鶏でとったスープと合わせています
「3色のアニョロッティーニ」。鶏でとったスープと合わせています

 アニョロッティーニとは、いわゆるラビオリのように、中に具材を詰めたパスタ料理。緑色はほうれん草の生地で、中に仔牛とポルチーニ、黄色は卵生地で、ウサギと香味野菜、赤はトマト生地で、プロシュートとチーズが入っており、温かい鶏のスープでいただきます

 ふんわりと柔らかいパスタの中の具材からエキスがほとばしり、その香りにもクラクラしてきます。もはや完全に『ピウ』の料理の魅力にどハマリ状態です。このあと、さらにメインディッシュの肉料理、デザートが続きます。

メインディッシュの「沖縄産ローヤルポークのロースト 柚子胡椒のソース」。柔らかい豚肉の付け合せには、あっさりと出汁で煮た大根と黒キャベツのソテー。肉の旨みに、野菜の甘味や苦味がピタリと合います
メインディッシュの「沖縄産ローヤルポークのロースト 柚子胡椒のソース」。柔らかい豚肉の付け合せには、あっさりと出汁で煮た大根と黒キャベツのソテー。肉の旨みに、野菜の甘味や苦味がピタリと合います

 オーナーシェフの新佛佑介さんが、最後にデザートを持って登場したので、冷製カルボナーラについて、お話を伺ってみました。

「あれは通常のカルボナーラを冷やしているわけではなく、冷たいソースのようなイメージで作っているパスタです。冷たいぶん、香りとコクをしっかりと感じてもらえるようにするのが、工夫のしどころです」とのこと。

 新佛さんの経歴を聞いてみると、北イタリアのピエモンテ州・アルバのリストランテで修業後、西麻布や麻布十番の名店イタリアンを経て、2015年に今のお店をオープンしたとのこと。

ドルチェの「いちごのフレッド」
ドルチェの「いちごのフレッド」

 実は、冷製パスタを作るのがものすごく好きだという新佛さん。冷カル以外にも、果物や野菜を使った冷たいパスタもよく作るそうです。

「今年の秋冬は、洋梨や柿を使ったりもしましたね。旬の果物や野菜は香りが豊かで、味も複雑で繊細なんです」と新佛さん。

 確かに、料理を食べ終わっても、食材の残り香と味の余韻が続く、そんなコースでした。正直言って、今年一番、美味しかった! と言ってもよい料理ばかりでした。紹介してくれたMママに感謝です。皆さんもぜひ予約して、その味わいを確かめてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

レストラン ピウ外観

店名:レストラン ピウ

住:東京都中央区銀座4-10-1 HOLAN-GINZA 8F
TEL:03-6264-1023
営:12:00~13:00 14:30close、18:00~21:00 23:00 close
休:日曜・第3月曜
http://www.restaurant-piu.jp