村上隆がプロデュースする『Bar Zingaro』のディープなこだわりとは?

スペシャルティコーヒーと村上アートのコラボレーションに浸る

「Fuglen」といえば、2012年に東京・代々木に国外初出店をして話題となった店だ。ノルウェー本店同様、北欧のヴィンテージ家具に囲まれたモダンな空間で、高品質のスペシャルティコーヒーとカクテルを楽しめるとあって、コーヒーマニアはもちろん、“意識高い系”の人たちのたまり場となっていると聞く。なるほど、ここの感度の高そうな雰囲気や、質の高いコーヒーにも納得がいった。

 でも一体、なぜ中野ブロードウェイと村上氏と「Fuglen」なのか? そこで、店舗のスタッフに聞いてみた。

「村上が、海外のお客さまを中野ブロードウェイに連れてきた時に、とても喜ばれたことがあって、ここにギャラリーを作ったら面白いのではと、3つの違うテーマのギャラリーを作ったんです。コンテンポラリーアートを扱う「Hidari Zingaro」、クラフトアートの「Oz Zingaro」、オタク系アートの「pixiv Zingaro」。そのハブ的な存在として最後にこのカフェができました」

 オープンの前の年、代々木に「Fuglen」ができたばかりで、コーヒー好きの村上氏が訪れ、そこでカプチーノを飲んだ。各国のコーヒーを飲み歩いてきた同氏が、その味に衝撃を受け、すぐにオスロの本店まで出向いたという。そこからはトントン拍子で、この店とのコラボが実現したというわけだ。

村上隆がプロデュースする『Bar Zingaro』のディープなこだわりとは?
店内の机や椅子、ソファなどは、すべて村上氏の蒐集したアンティーク

「海外のメディアで、村上の作品と一緒にこの店のことも取り上げられることが多く、外国のお客様がわざわざこのブロードウェイの奥の方まで足を運んでくれます。特にバリスタ・チャンピオン、ティム・ウェンデルボーの焙煎したコーヒー豆を扱っており、日本ではここでしか味わえないので、それを目当てにいらっしゃる方も多いんです。その繊細な豆の味をじっくりと味わっていただきながら、現代のさまざまなアートを楽しんで欲しいと思っています」

オタクの聖地・中野ブロードウェイ『Bar Zingaro』で村上隆のカフェに行ってきた
コーヒー豆は「Fuglen」が焙煎する豆を使用。特に村上氏が特にお気に入りのバリスタ・チャンピオン、ティム・ウェンデルボーの焙煎したコーヒー豆が人気で、販売もしている
村上隆がプロデュースする『Bar Zingaro』のディープなこだわりとは?
かき氷800円も人気メニュー。氷は信州の天然氷を使用しシロップや練乳も手作り。器も金沢のガラス作家・西垣聡に作ってもらったもの。トレイは京都の漆作家・新宮州三の作品を使用

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:Bar Zingaro(バー・ジンガロ)

住:東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F
TEL:03-5942-8382
営:11:00~21:00
休:不定休