寿司職人歴30年の店主が揚げる極上からあげとは? 池袋『一番唐揚げ』で食べてきた

やわらか極上のムネ肉からあげ

肉汁がたっぷり出てくる嬉しいムネ肉からあげです
肉汁がたっぷり出てくる嬉しいムネ肉からあげです

 こちらのおすすめはムネ肉のからあげです。モモ肉のからあげを出すお店が多い中、こちらは開店当初はムネ肉からあげのみだったそう。さっそく「旨塩唐揚げ定食」(790円)をいただくことにしました。

 登場したのは、1個60gはあろうかという大きなからあげ。色も白く、店内の照明に照らされてキラキラ輝いているようで美しいこと。グルテンフリーの片栗粉を使用しているそうで、薄めのフワッとした食感の衣が、すぐに肉と一体になってくれます。一番驚いたのは、とにかく肉がやわらかいこと。

 一瞬「モモ肉?」と思ってしまったほどで、ムネ肉でここまでやわらかいものにはなかなか遭遇できません。パサパサ感もなく、スジッぽさもなく、ほっくりとしたやさしい食感。さらに肉汁もたっぷり。あっさりめの味付けなので肉のうま味がグイグイ迫ってきます。

店主の松原廣宣さん。寿司職人時代はマグロの解体ショーで包丁を握ったことも
店主の松原廣宣さん。寿司職人時代はマグロの解体ショーで包丁を握ったことも

 一体どうやったらこんなやわらかいムネ肉からあげができるのか?「漬けダレに数日間、揚げる直前までしっかり漬け込んでいます」と店主の松原さん。厨房をちょっとだけのぞかせていただきましたが、肉に衣を付ける松原さんの手付きが寿司職人のよう。

店主・松原廣宣さんの寿司職人のような手の動きに見とれてしまいました
店主・松原廣宣さんの寿司職人のような手の動きに見とれてしまいました

 うまい具合に肉を丸めて、皮も外側になるよう、ていねいにかつ素早く仕上げていきます。ちなみにこのムネ肉からあげ、わさび醤油を付けるのが松原さんおすすめの食べ方。「寿司職人の発想ですかねえ」と松原さんは笑います。実際、わさび醤油を付けて食べると、確かに絶妙の美味しさ。これはイケます!

極もも唐揚げ。ニンニク醤油の風味が白飯を誘います
極もも唐揚げ。ニンニク醤油の風味が白飯を誘います

 もちろん、モモ肉のからあげもちゃんとあります。それが「極もも唐揚げ定食」(1000円)。これまたジャンボサイズからあげが登場。衣は2種類の粉をブレンドしたものだそうで、ムネ肉のものとは異なりザクッとした歯ざわり。

モモ肉塩からあげはおろしポン酢でいただきます
モモ肉塩からあげはおろしポン酢でいただきます

 ニンニク醤油の風味がグンと迫ってくる、ごはんがすすむ味です。このほか、おろしポン酢をつけて食べるモモ肉の塩からあげや、カレー味のからあげ、チキン南蛮や油淋鶏もあり、メニューのバラエティーも豊富。しかもソースはすべて自家製とのことで、松原さんの並々ならぬこだわりが感じられます。

こちらはカレー味からあげ。スパイシーで濃厚なカレーの風味がたまりません!
こちらはカレー味からあげ。スパイシーで濃厚なカレーの風味がたまりません!

 ランチタイムは界隈のビジネスマンや学生に人気のお店ですが、夜は夜とてからあげでお酒を楽しむ人が集まるそうです。テイクアウトもやっており、取材中もお客さんが途切れませんでした。ヘルシーで極上のムネ肉からあげを食べてみたいという人は、ぜひ訪れてみてください。

●SHOP INFO

一番唐揚げ外観

店名:一番唐揚げ

住:東京都豊島区東池袋3-11-9 三島ビル 1F
TEL:03-6709-2939
営:11:30~15:00、16:30~24:00(23:45LO)
休:不定休
アクセス:JR池袋駅東口から徒歩10分

●著者プロフィール

松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。