3種類のダシの使い分けで旨みが深まる!
オーナーの荒井さんは、スキンヘッドにサングラス。それこそ夏祭りの屋台のお兄さんのようないかつい風貌だが、話すと、とても優しくて楽しい方だ。
「うちの焼きそばは、子供さんからお年寄りまで、安心して食べてもらいたいと思って作っています。やっぱり食は、安全、安心が基本です。だから、肉も野菜も、そして麺の小麦粉も、またダシの材料もすべて純国産品を使っています。とくにダシは命なので、アゴやカツオ、エビなどを使って、僕が全て手作りしています。ちなみに焼きそばの場合、粉ダシ、液体ダシ、ダシソースの3つを使って作っています」
このダシを味わってもらうべく塩・胡椒などはなるべく少量しか使わないのだそうだ。
「十分、ダシの味を効かせていますが、薄いと思う方は、お好みで卓上にある追いソースを使ってもいいですし、オリジナルのマヨネーズなどで足し算できるようにもしています」
荒井さんイチオシは、柚子胡椒マヨネーズというので、試してみた。
柚子胡椒の爽やかな香りとピリッとした辛味。これをマヨネーズがまろやかに包み込んで、ダシ焼きそばに最高に合う。ワサビマヨネーズもトッピングしていただくと、辛味の中にワサビの甘味まで感じる。ダシ焼きそばの威力おそるべし。ひたすら酸っぱいだけの紅生姜に頼り切りだったことにも深く反省。
「この焼きそばにポン酢をかける人もいますし、冬は丼に入れて、上からダシ汁をかけ、温泉卵や海苔などをのっけたりするメニューも出します。ベースがダシなので、どんなアレンジも効くんです。そして今、僕のイチオシはナポリタン焼きそばです」
焼きそばと同じ麺を使っているとは思えない生パスタのような食感だが、高温の鉄板で焼き上げるから、ものすごく香ばしい。なんと、こちらもナポリタン焼きそば専用にダシを作っているそうだ。
そういえば、小出屋は、やきそばだけでなく、最近は立ち飲みスタイルも人気だと聞いた。
「冬はおでんもやりますよ。あと、うちは、旬野菜の鉄板焼きや、から揚げや串揚げ、特大わらじとんかつなど、お客さんに食べて欲しいものを日替わりで出しています。そうそう、名物のジャンボフランクも食べていってよ! ワサビが合うよ。あとに、うちのバターコーン、山芋から揚げも最高だよ」と、どんどんメニューが出てくる。聞けばきくほど美味しそう!
これまでアレンジ焼きそばをバカにしてきた自分を呪いたい…。そう猛省せざるを得ないほど、旨い焼きそばが、中野にあった。
(取材・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:中野やきそば処 小出屋 本店
住:東京都中野区中野5-49-5
TEL:03-3387-1033
営:11:00-23:00
休:なし