人気急上昇中! プロも注目する英国No.1クラフトビール「ブリュードッグ」の魅力とは?

「ブリュードッグ」って、どんなビールブルワリー?

定番銘柄4種。左から「デッドポニークラブ」420円、「パンクIPA」435円、「エルビスジュース」450円、「クロックワーク タンジェリン」415円 ※すべて『ブリュードッグ六本木』にてテイクアウトした場合
定番銘柄4種。左から「デッドポニークラブ」420円、「パンクIPA」435円、「エルビスジュース」450円、「クロックワーク タンジェリン」415円 ※すべて『ブリュードッグ六本木』にてテイクアウトした場合

「ブリュードッグ」は英国北部・スコットランド発のクラフトビールブルワリー。創設されて、まだ十数年しか経っていませんが、主力銘柄「パンクIPA」はメジャーなシンクタンクが行った調査で、英国国内におけるクラフトビールの小売売上ランキングで第1位に輝いています。だから、英国No.1! ビールにうるさい英国人を満足させた、揺るぎない実績があるのです。

 そればかりか、「デッドポニークラブ」や「エルビスジュース」といった、ほかの銘柄も同ランキングに入っていて、なんと10位以内に「ブリュードッグ」の5銘柄がランクインするという快挙まで成し遂げています。

スコットランドの空気感を醸す店内。バックカウンターのパネルも現地と同じものを採用(※2019年11月撮影)
スコットランドの空気感を醸す店内。バックカウンターのパネルも現地と同じものを採用(※2019年11月撮影)

 そんな「ブリュードッグ」はオフィシャルバーもワールドワイドに展開中。今回訪れたのは2014年、アジアに初めて誕生した旗艦店『ブリュードッグ六本木』です。魅力は何といっても、タップビール。スコットランドの醸造所から徹底した温度管理のもと直送されるビールを、やはり管理の行き届いたタップからグラスに丁寧に注いで提供。つまりは最高の状態で「ブリュードッグ」が味わえるということ。

 そのほか、店内にはボトルや缶を販売するコーナーも併設。「ブリュードッグ」のすべてを網羅する国内唯一の存在で、各銘柄に合う料理も厳選して揃えています。テーブルやイスなど、本国と同じ什器で統一された店内で飲んで食べれば、まるでパブにいる気分。スコットランドの空気感まで楽しめます。

クラフトビール新時代を切り拓いてきた「ブリュードッグ」

タップからビールを注ぐイアン・バードンさん
タップからビールを注ぐイアン・バードンさん

 では、なぜ「ブリュードッグ」は、英国No.1になれたのでしょうか? それは、原料である麦やホップを厳選して巧みに配合し、品質だけを重視した志に一因がありますが、もうひとつの大切な鍵を、『ブリュードッグ六本木』のスタッフ、イアン・バードンさんが教えてくれました。

「ビールというカテゴリーで、どこまで美味しくて楽しいモノができるか? その可能性にチャレンジする姿勢が『ブリュードッグ』一番の魅力です」(イアンさん)

 その言葉通り、「ブリュードッグ」は看板の「パンクIPA」を筆頭とする定番以外に、期間限定の銘柄も多く、多彩なビールスタイルを提案しています。例えば取材した日は、タップビールなら12銘柄をラインアップ。なかには、まるで柑橘そのもののアロマと酸味を表現した、サワーエールもあって、興味を惹かれます。

スコットランドのエロンにメインの醸造所を構える
スコットランドのエロンにメインの醸造所を構える

 こうしたチャレンジを重ねるブルワリーの姿勢は、創業した2006年に遡ります。「ブリュードッグ」は当時まだ24歳だった2人の若者が一匹の飼い犬と、自宅のガレージで試作を始めたところから始まりました。

「俺たちと同じぐらい、皆をクラフトビールの虜にする」

 それが彼らの掲げた命題。日本でも一般的なラガーでなく、IPA(インディアペールエール)というビールスタイルをまず主軸に据えたのは「自分たちが飲みたいビールを造る」信念のほかに、ラガーばかり造る大手に対する反骨心もあったのでしょう。

 そうして生まれた「パンクIPA」が英国人の心をガッチリつかんだのは先に述べた通りで、独創的なマーケティング活動も実に現代的で、あっという間に世界に知られる存在に成長していきます。今回、新たに取り組んだチャレンジは全銘柄のラベルをリニューアルするということ。イアンさんによると「既成概念を打ち破る新しい銘柄もどんどん登場してくる予定」だそうで、また新しい出会いに、早くも期待は高まるのです。