古酒は辛口でもまろやかなコク
藤井酒造『オールド龍勢』
18年前に造られた日本酒を、長期熟成した古酒。広島竹原市の藤井酒造は、“完全発酵”という、かなり醸造技術を必要とする造り方をしているそうだ。
完全発酵とは、糖分を最後までしっかりお酒に変えて、酵母菌が一番元気なうちに絞ってしまう製法。辛口で、旨味が非常に強い。そのため、冷蔵でも常温でもどんな環境にも耐えられるので熟成向き。この藤井酒造は、独自に熟成酒から古酒に切り替えるタイミングを持っているのだという。
「冷蔵庫の中である程度、熟成保管しておき、熟成香が強くなって、味も変わってきたと判断した際に、常温保存にして「古酒」に切り替えます。糖分が少ないので、熟成してもとろみや甘みが出ず、辛口ですがまろやかになるんです。冷やすとカカオのようなビターな香りがして、古酒を初めて飲んだ人は、これが日本酒？ という驚きとともにハマる人が多いお酒です」（薬師さん・以下同）
