浜松一の老舗鰻専門屋『中川屋』で名物「うなぎとろろ茶漬け」を食べてきた

しっかりと香ばしく焼くのが『中川屋』流

『中川屋』の美味しさの秘密はまず、うなぎ自体の美味しさと独自の焼き方にあります。浜松を中心に仕入れるうなぎは、皮の柔らかいものを選びます。そのうなぎを天竜川の伏流水の中で3、4日活かし、臭みを抜き、身をしめます。

 そして、一般的なうなぎ店と比べ、倍ほどの時間をかけてじっくりと焼き上げます。それにより外はパリッと、中はふんわりとした仕上がりになっています。

3つの味を楽しむ「うなぎとろろ茶漬け」

「うなぎとろろ茶漬け」5900円(税別)
「うなぎとろろ茶漬け」5900円(税別)

 テーブルに出されたのは、まるで料亭に訪れた気分にさせる二段のお膳。その豪華さに思わず、感嘆します。お膳には、通常のうな重の1.4倍ほどの量がある“うな丼”をはじめ、肝吸い、とろろ、出汁、お新香と薬味が乗っています。贅沢すぎるこのセット、どうやって食べるのか、ワクワクしてきますよね。

まずは「うな丼」で本来の味を堪能!

 まずはお茶碗にうなぎとご飯をよそり、『中川屋』の味をじっくりと味わいましょう。一口味わえば、その香ばしさに感動! 甘めのタレと脂の煙で燻され、焼き上げられたうなぎの香りと旨味が口いっぱいに広がります。しかも、カリッと歯ごたえのある食感と、ふわふわのとろける味わいが交互にやってきます。

「東京のとろけるような感じとは違って、うなぎに存在感があるでしょう。人によっては焦げてるという人もいますが、しっかりと焼き目を付けるのも美味しさの秘訣なんです」(村越さん)

次は出汁をかけて「うな茶漬け」を

『中川屋』ならではの味をしっかり感じたら、次は「うなぎ茶漬け」に。薬味のネギとワサビを加え、昆布と鰹節でとった出汁をかけていただきました。

 うなぎの旨味が出汁に溶け込み、ワサビがツーンと効いて、これまた味わい深い! 出汁をたっぷりとかけて、サラサラッと豪快にかきこむ。合間にお新香をカリカリッと。これこそ、茶漬けの醍醐味ですね。

仕上げは「とろろ」をかけてさっぱりと

 お待たせしました! 仕上げは名物の「とろろ茶漬け」です。とろろには、コクが強くなく、真っ白な色味が綺麗な長芋を使用。これにまた出汁をたっぷりかけていただきます。出汁は追加してくれるので、気にせずたくさんかけましょう。

 “とろろ”というと、口の中がまったりとしそうなイメージですが、うなぎ茶漬けで食べるサッパリとしていて旨い! さらに、ワサビとネギをトッピングしても美味。余ったうなぎとご飯は、好きな味わいで存分に堪能しましょう。

・・・・・・・

 上品なお膳からは想像がつかないほど、ガッツリと食べ応えのある「うなぎとろろ茶漬け」。これは思い出の味になりそう…。都会の喧騒から一歩入ったところにある西麻布の『中川屋』。自分へのご褒美にまた、訪れたい名店です。

●SHOP INFO

浜松 中川屋 西麻布店 外観

店名:浜松 中川屋 西麻布店

住:東京都港区西麻布1-4-21 アートスクエア2F
TEL:03-5843-1833
営:11:30~14:00(L.O.)、17:30~21:30(L.O.)
  ※売り切れ次第、閉店となります
休:月曜、第3日曜