西荻窪で飲むならここ! 最高の食体験が待っている西荻窪はしご酒スポット

3軒目は『西荻 勝手口 ひまり屋』でさらに日本酒を

ほぼ料理一品毎にお酒を頼み、一斗ちゃんの面目躍如
ほぼ料理一品毎にお酒を頼み、一斗ちゃんの面目躍如

 閑話休題、善知鳥同様、旨い日本酒が飲みたいときに頼りにするのが、常時約80種を揃える『西荻 勝手口 ひまり屋』だ。ここ数年は、全国各地で新銘柄が続々と名乗りを上げる、百花繚乱の戦国時代。「一斗ちゃん」と呼ばれる大酒飲みのわたくしとて、すべてを網羅するのは不可能ゆえ、各地の蔵元も訪れるこの店で修行に励む。

この日は、超限定のひまり屋プライベートボトル「流輝」グラス(約90ミリ)580円も堪能。メニューには到底全種を載せきれないため、好みを伝えてお任せしよう
この日は、超限定のひまり屋プライベートボトル「流輝」グラス(約90ミリ)580円も堪能。メニューには到底全種を載せきれないため、好みを伝えてお任せしよう

 熟考しても迷うばかりなので、注文は「今日の面白い酒を!」とおまかせ。酒担当で一見、コワモテの富田恭司さんが1本を選ぶ際、照れを秘めつつ「むふふっ」とひけらかし顔になるのは、毎回、たまらない瞬間だ。この表情が見たくて「お次は……?」となる。

「里芋と鱈の子煮」880円は富田さんセレクト、福島の「天明」グラス(約90ミリ)580円とともに
「里芋と鱈の子煮」880円は富田さんセレクト、福島の「天明」グラス(約90ミリ)580円とともに

 加えて板前さんが丁寧に仕込む料理の食材が、魚も野菜も上質。福島の「天明」にはダシのきいた煮物を、自家製の燻製には青森の「七郎兵衛」をなど、富田さんは的確に酒と料理の相性を示唆するため、至福の連鎖にはまり、飲んで食って満腹満足。

 ならばそれで帰ればいいのだが、駅周辺に飲み屋がひしめき合う西荻窪は誘惑が多すぎる。しかも燃費の悪いわたくしは、ちょっと歩いただけで腹が減る。そんなわけで吸い込まれてしまうのが、立ち食い鮨の『にぎにぎ一』だ。夜更けのラーメンは少々逡巡するが、鮨を2~3貫つまむだけなら許される気がするではないか。