大阪の大傑作カレー! スリランカ料理の名店『セイロンカリー』の「アンブラ」は神の食べ物だった

わざわざ東京から行って大正解のすごいカレー

『セイロンカリー』は地下鉄鶴見緑地線長堀橋駅から徒歩5分。お店の雰囲気は街の気軽な食堂といった感じ
『セイロンカリー』は地下鉄鶴見緑地線長堀橋駅から徒歩5分。お店の雰囲気は街の気軽な食堂といった感じ

 平日のランチ時に伺い、お店の方に人気No.1メニューを伺うと、予想通り、定番人気は「アンブラ」(1000円)とのこと。

 店主の重國裕子さんによれば、「アンブラ」とは、スリランカの田舎のお母さんが作る家庭料理のことだそうで、同店のアンブラは、本日のカレーを1種類選び、その日の副菜が5種類と「パパダム」という豆のおせんべいが1皿に載るスタイル。

「アンブラ」1000円。メインは右下のマトンカレー。ライスは日本米かバスマティライス(+200円)を選べます。今回はバスマティライスにしてトッピングに目玉焼き(+100円)も付けたので、計1300円
「アンブラ」1000円。メインは右下のマトンカレー。ライスは日本米かバスマティライス(+200円)を選べます。今回はバスマティライスにしてトッピングに目玉焼き(+100円)も付けたので、計1300円

 この日のカレーは、チキン、ポーク、フィッシュ、ビーツ、キーマがありましたが、筆者が選んだメインのカレーは「マトン」。そして、副菜として豆のカレー、ココナッツの辛いふりかけ、菜っ葉のふりかけ、ビーツのカレー、オクラのカレーが自動的についてきます。写真を見ていただくとわかると思いますが、それぞれの盛りの良さに感激もひとしおです。

 というわけで、いざ実食です。まずはメインのカレー。大きなマトンがゴロゴロとたくさん入っていて、しっかり辛い。でも、噛みしめるほどにマトンとスパイスの香りが立ち、旨味がしっかりと感じられます。辛さも絶妙で、もうこれだけでガッツリ胃袋をつかまれた感じがする美味しさです。

マトンがたっぷり入っていました
マトンがたっぷり入っていました

 続いて副菜のオクラのカレーは、噛むとシャキッとした食感。豆のカレーは、優しくまろやかなココナッツの風味。ビーツのカレーは少し甘めで、濃厚なコク。そして脇役的な唐辛子のふりかけ、菜っ葉のふりかけの辛味や酸味が、絶妙にカレーをアシストします。

 それぞれの食材に合うスパイスと味付けがなされ、少しずつ混ぜるとその味同士が重なり合い、刻々と味が変化する。辛いのに、なぜか優しい。食べ終わっても、その重層的な味が余韻となり、「これは奇跡のハーモニーなんでは?」とミスター味っ子のように感激しっぱなし。やはり自分で作った「アンブラ」よりも何百倍も深い味でした。

混ぜるのは下品とか言ってる場合じゃありません。スリランカカレーは混ぜつつ食べるのが流儀。カレーや副菜が混じり合うほどに美味しくなり、テンションが上がります
混ぜるのは下品とか言ってる場合じゃありません。スリランカカレーは混ぜつつ食べるのが流儀。カレーや副菜が混じり合うほどに美味しくなり、テンションが上がります

 しかし、レシピ通りに作っているのに、どうしてこんなに違うんだろう? と、若干の悔しさとともに疑問が浮かびます。そこで店長の重國さんにそのあたりを聞いてみました。

「やはりメインシェフのランジさんの感覚が素晴らしいんだと思います。もともと彼は、スリランカでシェフをしており、コンクールなどで優勝経験もあるんです。それに、うちでは、彼が現地に配合をオーダーして取り寄せているミックススパイス『トゥナパハ』があって、これが、店の味の決め手になっているんです」と重國さん。

 なるほど、そんな実力者が作ったカレーだったんですね。それはレシピ通りに作っても同じ味になるはずがありません。そもそもこの店ができた理由も、スリランカ料理に魅了された重國さんが、ランジさんをスリランカのレストランからわざわざ引き抜くことができたからなんだそうです。

「私も毎日食べていますが、彼の料理はまったく飽きることがありません。お母さんの料理が基準になっているそうです。お客さんにもたくさん食べてほしいので、ついつい盛りも多くなってしまうんですよね~」(重國さん)

 混ぜるほどに美味しさが無限大に広がる『セイロンカリー』の「アンブラ」は、スリランカ料理の真骨頂ともいうべき味わい。東京からもわざわざ食べに行ってみる価値のある、絶品でした。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

セイロンカリー

店名:セイロンカリー

住:大阪府大阪市中央区南船場1-13-4
TEL:06-6125-5434
営:11:30~15:00(14:30LO)、18:00~22:00(21:30LO)
休:無休