有名バーテンダーに訊いた! 知ればもっと美味しい「王道カクテル」のヒミツ3選

マティーニ編

「マティーニ」1600円。一般的な割合はジン4、ベルモット1ですが、『bar cafca.(バー カフカ)』ではジン5、ベルモット1
「マティーニ」1600円。一般的な割合はジン4、ベルモット1ですが、『bar cafca.(バー カフカ)』ではジン5、ベルモット1

 マティーニといえばジンとドライ・ベルモットを使った「カクテルの王様」。映画や文学にもよく登場します。例えば「007」シリーズでジェームズ・ボンドが飲んでいたり、ヘミングウェイの小説『河を渡って木立の中へ』にも、主人公がバーでマティーニを注文するシーンが出てきます。度数は約35度とかなり強いカクテルです。

 そんなマティーニについてお話を伺ったのは、外苑前『bar cafca(バー カフカ)』の佐藤博和さん。洗練されたカクテルやヴィンテージのウイスキーなどが味わえる、非常に上質なバーです。
「マティーニの由来は諸説あって、このカクテルがマティーニの原型だと言われています」と佐藤さんが作ってくれたのが「マルティネス」。白ワインのような、薄く色のついたカクテルです。

「マルティネス」3500円。1960年代に作られた「ゴードン オールド トム ジン」と貴腐ワインで作ります
「マルティネス」3500円。1960年代に作られた「ゴードン オールド トム ジン」と貴腐ワインで作ります

「1862年にジェリー・トーマスが出版した、世界で最も古いカクテルのレシピ本『How To Mix Drinks』に登場するカクテルです。元々甘い味だったのですが、そこから味がドライにシフトしていき、スイートベルモットからドライベルモットに変わっていったようですね」。昔は甘いカクテルだったんですね。意外です。

 シンプルなマティーニは、バリエーションも豊富。ジンの代わりにウォッカで作る「ウオッカ・マティーニ」やベルモットの代わりにウイスキーで作る「スモーキー・マティーニ」、オリーブの漬け汁が入る「ダーティ・マティーニ」などが存在するほか、中には日本酒で作る「サケ・マティーニ」や、007シリーズにちなんだ「ボンド・マティーニ」も。その種類は300種近くあると言われています。

「マティーニ」と「マルティネス」を飲み比べて、昔と今の味の違いを楽しんでみるのも楽しそうですね。

●SHOP INFO

bar cafca. (バー カフカ)外観

店名:bar cafca. (バー カフカ)

住:東京都港区南青山3-5-3 ブルーム南青山 B1F
TEL:03-3470-1446
営:15:00~24:00
休:火曜