映画『シェフ』さながら! 中野『SUNSETBEER FC』で絶品キューバンサンドイッチを食べてきた

街に愛されるキューバンサンドイッチ

今年(2019年)の5月24日にオープン。西武新宿線「新井薬師駅」から徒歩約6分、JR中野駅から徒歩約12分
今年(2019年)の5月24日にオープン。西武新宿線「新井薬師駅」から徒歩約6分、JR中野駅から徒歩約12分

『サンセットビア FC』は、新井薬師に続く参道「薬師あいロード商店街」にありました。ミントブルーにペインティングされた外観は、まるでフロリダから抜け出てきたよう。

オーナーの山田一徳さんが一人で切り盛りしています
オーナーの山田一徳さんが一人で切り盛りしています

 店に入って、オーナーの山田さんにキューバンサンドイッチのメニューを聞くと、2種類あるとのこと。「クラシック」(1000円・ハーフ500円)と具材に二段重ねにしたボリューミーな「ダブルダブル」(1500円)。

「クラシック」のローストポークは、きめ細かくてさっぱりしたタイプ
「クラシック」のローストポークは、きめ細かくてさっぱりしたタイプ

 今回は「クラシック」を注文してみました。中に挟むローストポークは、ハーブや野菜、スパイスに漬け込み、それをオーブンで焼きます。それを細かく裂いて、ザルで脂を落として使用しているんだそうです。

きっかけは“映画とパン”

焼く前のキューバンサンドイッチ。左が「クラシック」右が「ダブルダブル」
焼く前のキューバンサンドイッチ。左が「クラシック」右が「ダブルダブル」

 具材を積み上げてからホットプレス機で焼きあがるまでに6~7分少々かかるとのこと。そこで、山田さんとお話していると、彼も映画の『シェフ』に感激したのだということがわかりました。

キューバンサンドイッチは、両面焼きをするので、下の鉄板と、パンの上にもバターを塗ります
キューバンサンドイッチは、両面焼きをするので、下の鉄板と、パンの上にもバターを塗ります

「あの映画では、作り方が詳細に描かれているので、作りたくなってしまうんですよね。さらに本場の味を知りたくて、LA.に行き、全米ナンバーワンのキューバンサンドと賞賛されている『エル・コチニート』にも行ったんですよ」

 そして、ひょんなことから、専門店を出す決心をしたのだそう。

焼き上がったキューバンサンドウィッチ。手前が「ダブルダブル」
焼き上がったキューバンサンドウィッチ。手前が「ダブルダブル」

「本場のキューバンサンドイッチは、ラード入りのキューバンブレッドを使います。キューバンブレッドって、バゲットなんかに比べると、もっとスカスカで軽いんです。そこにバターを表面にたっぷり塗ってプレスすることで、本場のキューバンサンドイッチの味になる。でも日本ではなかなか手に入らないんですよ。ところが偶然、昔働いていた喫茶店のマスターに教えてもらった、ラード入りのパンを入手することができたんです。それで、これなら店がやれる! と思ったんです」

 しかし、いざ、新井薬師に店を開こうと思った時、本場と同じ味を出すのはちょっと違う、と考えたそうです。

パンには、たっぷりのマスタードやバターを使用しますが、意外にサッパリ食べられるように工夫されています
パンには、たっぷりのマスタードやバターを使用しますが、意外にサッパリ食べられるように工夫されています

「向こうのキューバンサンドイッチって、ガーリックがガツンと効いていて、肉厚で味付けも濃くてボリューミー。あの味は、LAの空気には合うと思いますが、なんというか、旅先の味だなと思ったんです。毎日でも食べたいとは思わないというか。この新井薬師界隈は、子どもからお年寄りまで、幅広い世代が暮らしています。地域のみんなが気軽に食べられて、笑顔になってもらえる味は? と考えて僕なりに改良して、ローストポークを割いて脂を落としているんです」