出汁で食べる焼肉「肉まぶし」とは? 淡路町『焼肉 ゑびす本廛』で食べてきた

入口の黒板にランチメニューが書いてありました。肉を焼いて食べる定食がいくつかあり、これらはすべて「肉まぶし」が可能
入口の黒板にランチメニューが書いてありました。肉を焼いて食べる定食がいくつかあり、これらはすべて「肉まぶし」が可能

 友人がテレビで見たのは盛り合わせの「ゑびす盛り定食」(1280円)。焼き肉を楽しんだ後に「肉まぶし」にして、お茶漬けのようにサラサラと食べるといいます。そこで、迷わず「ゑびす盛り定食」を注文。登場と同時に、お店の方が食べ方を説明してくれました。

この日の「ゑびす盛り定食」の盛り合わせは、常陸牛のランプ、ハラミ、梅里豚。ご飯と出汁、さらに肉まぶしで使う大根おろしと青唐辛子、胡麻味噌ボールとあられが付いてきます
この日の「ゑびす盛り定食」の盛り合わせは、常陸牛のランプ、ハラミ、梅里豚。ご飯と出汁、さらに肉まぶしで使う大根おろしと青唐辛子、胡麻味噌ボールとあられが付いてきます

「うちの肉まぶしの定食は、最初は肉を焼いて、鰹と牛と鶏からとったトリプルスープのお出汁につけて食べるスタイルの“出汁焼肉”です。とくに赤身のお肉は、軽めに焼いて出汁につけ、お口に入れた後、お肉が残っているうちに出汁を一口飲んでみてください」

 つまり、最初は焼肉スタイルで、出汁で食べるということです。確かにテーブルに塩はありますが、タレ類は一切ありません。では、肝心の「肉まぶし」はどうするの?

「最後にお肉は数枚残しておいてください。お出汁を追加でお持ちしますので、ごはんにお肉を載せて、お出汁をかけて“肉まぶし”にします」

 なるほど、ではさっそく焼き肉からスタート。

ロースターでさっと焼きます
ロースターでさっと焼きます
牛骨、鶏ガラ、香味野菜、様々な部位の焼いた肉を煮込み、仕上げに鰹節を入れて作ったお出汁
牛骨、鶏ガラ、香味野菜、様々な部位の焼いた肉を煮込み、仕上げに鰹節を入れて作ったお出汁

 まず、お出汁を一口。非常にあっさりとした和風出汁です。次に、肉を焼いて出汁につけて食べると、柔らかく旨みのある上質なお肉だとわかります。さすが肉屋さん、すごく美味しいです。

 そのお肉が口中にあるうちにスープを飲んでみると……あれあれ? 先ほどの出汁とは味が変わりました。そう、肉の脂と旨みが加わったので、出汁に濃厚な旨みを感じるのです。これは今までにない焼肉の味わい方です。

 通常のタレや塩で食べる焼肉は、味が濃いので途中で飽きてくることがありますが、この出汁で食べる焼肉は脂が適度に落ちて、さっぱりしているので、どんどんイケます。しかもお肉自体の味わい際立つんです。

 美味し過ぎて、肉を全部食べてしまいそうになりましたが、肝心の「肉まぶし」を作ってもらわないといけません。そこで残りの肉を焼き、ご飯の上に載せてスタンバイ。店員さんを呼んで、お出汁を注いでもらいました。

最後は、肉の旨みが溶け込んだ絶品の「肉まぶし」。ご飯も出汁も無料で追加してくれます
最後は、肉の旨みが溶け込んだ絶品の「肉まぶし」。ご飯も出汁も無料で追加してくれます

「胡麻味噌ボールとあられをここに入れて、よくかき混ぜてお召し上がりください」(店員さん)とのことです。

 レンゲでスープをいただくと、またまた味変しており、お肉の旨みと胡麻味噌が溶け込んだ懐かしいようなやさしい味になっていました。レンゲがとまらず、最後は丼を抱えて1滴も残さずフィニッシュ。

 この“出汁焼肉”、筆者はかなり気に入ってしまいました。ランチの焼肉定食で、こんなに贅沢なお肉で、なおかつ新鮮な食べ方は見たことがありません。さっぱり食べられるし、これは絶対お薦めです。ちなみに、常連さんのような方たちは、「愛盛り」(1100円)というカレーとステーキの盛り合わせを食べている人が多かったです。これも、とても美味しそうでしたよ。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

焼肉 ゑびす本廛

店名:焼肉 ゑびす本廛

住:東京都千代田区神田司町2-6-6
TEL:050-3468-1051
営:11:30~14:00(13:30LO)、17:00~23:00(22:30LO)土17:30~21:30(21:00LO)
休:日祝