東京下町の名酒場、神田『新八』で酒と魚と下町情緒に浸ってきた

旬の魚、そして味の相乗効果を生み出す日本酒で乾杯!

「のどぐろ」(時価)。大きさなどによって値段は変わる。この日は1皿7000~8000円
「のどぐろ」(時価)。大きさなどによって値段は変わる。この日は1皿7000~8000円

 まずは、『神田 新八』に来たら必ず注文して欲しいのが、「のどぐろ」。通年で提供されており、時期により、九州~日本海沿いで水揚げされる日本で一番美味しいものが味わえます。

「刺身盛り合わせ」1人前2480円(写真は3人前)。鯛、中とろ、サザエ、カツオヒラマサ、コチなど
「刺身盛り合わせ」1人前2480円(写真は3人前)。鯛、中とろ、サザエ、カツオヒラマサ、コチなど

 もちろん刺身も絶品。白身、赤身の魚や貝など、旬の美味しさを堪能できます。刺身はもちろんですが、極細に切られたツマの大根には、これまた極細ミョウガやシソがあえてあり、このツマだけでも美味しい! 九州の糸島で作られているとろりとした手作り醤油を少しつけて味わうと、旨みと清涼感が口の中に広がります。

神亀酒造の純米酒、ひこ孫。熱燗で味わうのがオススメ。1燗880円
神亀酒造の純米酒、ひこ孫。熱燗で味わうのがオススメ。1燗880円

 合わせるお酒は店の顔の一つでもある、神亀酒造の純米清酒「ひこ孫」。実はこのお酒、醸造において「協会9号」という古いタイプの酵母を使用しているため、発酵過程でコハク酸や乳酸が多く出現し、このコハク酸が料理に含まれるアミノ酸やグルタミン酸と混じることで、味の相乗効果を生み出しているそう。味は辛口なのに、遠くに品のある甘さがあり、まさに料理と一緒に味わうのにぴったりのお酒です。

美味しい日本酒に旬の魚。何度も通って常連になりたくなるほどの美味しさ
美味しい日本酒に旬の魚。何度も通って常連になりたくなるほどの美味しさ

 ちなみに、3階の席の予約時にリクエストすれば、女将の三味線演奏を楽しむこともできるので、外国から来たお客さんなどを接待するのにも喜ばれそう。1階は喫煙可、2階は禁煙と分かれているので、居酒屋イコール煙が嫌、という人と飲むときにもオススメです。

 ふらっと1人で入って、日本酒をゆったり味わうのもいいし、予約して複数で行って、女将の弾く三味線をBGMに、旬の料理を味わうのもよし。

 ちなみに“新八のレジェンド”の作る「鯵の南蛮漬け」は、見つけたらすぐに注文を! 暑い季節なら、契約農園で採れた「だだちゃ豆」や、おひたし、和え物などもオススメですよ。

(撮影◎島本絵梨佳 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

神田新八

神田新八 (かんだしんぱち)

住:東京都千代田区鍛冶町2-9-1
TEL:03-3254-9729
営:16:00~23:15(料理LO22:30、ドリンクLO22:45)
休:なし