東京から日帰りOK! 猛暑も吹き飛ぶ絶品「うな重」3選

完全予約制の完璧な「うな重」

『小川家』(静岡県下田市)

「鰻重(竹)」3950円。肝吸い・お新香付き。ちなみに大盛りはプラス100円
「鰻重(竹)」3950円。肝吸い・お新香付き。ちなみに大盛りはプラス100円

 まずは伊豆急下田駅から徒歩10分ちょっとの場所にある『小川家』。こちらの鰻屋さんにはふらりと行っても入ることはできません。完全予約制です。しかも予約する際にメニューを注文しておかなければなりません。「うな重」は「竹」(3950円)しかありませんので、迷うことはありませんが、もし蒲焼や白焼きも食べたい場合は、それも必ず伝えておきます。

 なお、遅刻も厳禁です。予約した時間に合わせてうなぎを焼きあげてくれているからです。予約時間の10分前には着席し、うなぎが登場するのをワクワクして待っている状態が理想。という具合に、こちらのお店は、うなぎにとにかく集中することが大事。

店内には樽が置いてあり活き鰻が泳いでいます
店内には樽が置いてあり活き鰻が泳いでいます

 時間通りに、重厚なお重が登場します。蓋をあけると、ため息が出るような、飴色に輝くふっくらしたうなぎ。炭火の香ばしさに包まれます。口に入れると、ふわふわとして、とろけていくようなうなぎ。タレは甘すぎず、スッキリとしていて、うなぎの脂とのバランスが最高です。さらに、ご飯は、粒1つ1つまでしっかり立った炊き方。

 こちらの先代のご主人は、東京の老舗『野田岩』で修業をされたそうで、その伝統の技を守り、重箱の中の全てに手間暇をかけているのがわかります。黙って粛々と箸を進める。筆者的には、これこそが「うな重」と向き合う醍醐味であり、至福の時間だな、と思います。

先代のご主人は創業200年余の老舗鰻店『野田岩』(港区麻布)で修業されたそう。現在は2代目
先代のご主人は創業200年余の老舗鰻店『野田岩』(港区麻布)で修業されたそう。現在は2代目