焼きそばの進化系!? 神保町『東京焼き麺スタンド』の「スーパー焼き麺」がハイレベルすぎる理由

「焼き麺」が美味しい理由

 この『東京焼き麺スタンド』は、1号店が東京・下北沢にある人気店。今回、神保町にオープンしたのは、2店舗目です。

 オーナーは、兵庫県姫路市出身の黒田康介さん。地元、兵庫のソース文化の1つ「焼きそば」の本当の魅力を広めようと脱サラして焼きそばの研究を重ね、一般的な鉄板ソース焼きそばとは一線を画す調理法を考案。そして1年前に1号店を下北沢にオープン。そこでオリジナルの「焼き麺」が評判になり、とんとん拍子に2号店をオープンしたというわけです。

 その製法をご紹介しましょう。まず、麺は生麺。朝イチで茹で、あえて茹で置きを使います。また、鉄板ではなく、これもあえて中華鍋を使います。

麺は、北海道産の小麦粉を100%使ったつけ麺用の太麺
麺は、北海道産の小麦粉を100%使ったつけ麺用の太麺

 作り方を見せてもらうと、まずは中華鍋に油とラードを敷き、麺を入れて、ヘラでくるくると回しながら渦巻き状に焼いていきます。巻きながら鍋に沿って面を作りあげ、強火で両面にほんのりと焦げ目をつけます。

この焦げ目が美味しさを倍増させています
この焦げ目が美味しさを倍増させています

「ラーメンの麺は、表面はモッチリ柔らかく、芯の部分でコシを感じるように茹でます。しかし、焼きそばはその“逆”が美味しい。麺の表面でコシを感じるようにパリッと焼き、中はモッチリが正解。そこであえて茹で置きの麺を使い、中華鍋の凹底をうまく使うことで、表面はパリッと、中はふんわりと焼き上げられるんです」(黒田さん・以下同)

 麺を焼いたら、今度はキャベツや下処理をした豚肉を投入。さらに鍋を振り続けます。

キャベツも豚肉も国産のものを使用
キャベツも豚肉も国産のものを使用

 鍋の下に集まりがちな肉や野菜の具材は、中華鍋を振って遠心力で、麺の周りに飛ばしながら焼き上げます。こうすることで、具材に火が通り過ぎることがありません。キャベツはシャキシャキ感が残り、豚肉はフワッと焼き上がる、というわけ。

「うちの豚肉は、前日にカツオ×醤油のだし醤油で漬け込んで蒸し焼きにしたものを使っているので、火を通しすぎないほうが柔らかくジューシーに仕上がるんです」

 そして最後にオリジナルソースで仕上げです。

「うちのソースは、カツオ出汁、醤油、ソースを配合しています。ソースは私の地元・兵庫県を代表する調味料。めちゃくちゃこだわりがあるんですが、じつは、私は醤油も大好きで、これをプラスすることで、みんなが毎日食べられる、あっさりした焼きそばになるんです」

最後に、ソースを絡めながら渦巻き焼き麺を作ってお皿に盛り付け、目玉焼きを乗せて完成
最後に、ソースを絡めながら渦巻き焼き麺を作ってお皿に盛り付け、目玉焼きを乗せて完成

 たかが焼きそば、されど焼きそば。一皿に奥深さを感じる「焼き麺」です。1階はスタンド、2階はテーブル席もあり、さらにテイクアウトもできます。新しい焼きそば「焼き麺」。ぜひお試しください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

東京焼き麺スタンド

店名:東京焼き麺スタンド

住:東京都千代田区神田神保町1-5-13
TEL:050-5597-6545
営:11:00〜21:00(20:30LO)
  土日祝11:00〜17:00(16:30LO)
休:不定休